2026年3月31日 (火)

劇団HOTSKY公演「ミカンの花が咲く頃に」を観る

 3月もあっという間に月末に。今さら感はありますが、20日に劇団HOTSKY公演「ミカンの花が咲く頃に」を観たことを綴ります。劇場は東京の座・高円寺。作が釘本光さんで、以前観てとても良かった「ほおずきの家」と同じ方。加えてキャストに贔屓にしている扉座から2名参加しているので、これは観に行かねばとうことで。

 この作品は以前に上演したものの改訂しての再演だそうで、実際に九州であった高速道路建設に伴うミカン農家の立ち退きのことを下敷きにしているそう。日本の「公共」事業は動きだすと止まらないものですが、国に抗うことを冷笑したり非難したり異端視する風潮に一石を投じる内容でした。誰だって平穏な生活を送りたい。ただそれだけのことで。。。ただ、いろんな立場によって行動は変わってくる。反対運動に加わる人もいれば、補償金と引き換えに立ち退きに応じるほうが実利があるとする選択もある。芝居には立ち退き地区の出身なのに県庁に就職したことで立ち退きの交渉が仕事になっている職員も。。。そうするとコミュニティに分断が生じてくるのだけど、いっぽうで立場の違いを超えて今までどおりのつきあいをしていきたいという人も出てくる。いろんなことが重層的に描かれていました。サブストーリーとして親の決めたことに従ってきた高校生が「自分のことは自分で決めたい」と思って行動することも描かれていて、これが「国が決めたこと」に翻弄される立ち退き地区の人々の思いと重なって見えてきます。観ていて自分が当事者になったらどうするか考えさせられるような芝居でした。芝居ではとある九州の過疎の村が舞台になってましたが、再開発とか都市計画道路の建設とか都市部でも立ち退きにつながる事業はあるわけで、誰もが当事者になりうるかと。

 久しぶりに観た歯ごたえのある芝居でした。こんな世相だからこそ「声をあげること」を大事にしたいと思います。

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2026年2月28日 (土)

2月に観たもの

 早いものであっという間に2月も終わり。なんだかんだで2月は雑記帳を1回しか書けていなかった(^^; 2月のことは2月のうちに・・・ということで、2月に観たものをまとめて綴ります。

■2月14日 扉座サテライト公演「リボンの騎士2026」

 毎年恒例、劇団扉座の研究所に所属する研究生の卒業公演を今年も観てきました。今年はA、Bキャスト(出演者は同一で配役の違い)でしたが、都合によりBキャストのみの観劇となったのが残念。。。
 毎年観ていて筋書きはわかっていても、元々の台本が素晴らしいのと、演出を一部変えてきているので飽きるなんてことなく観られます。そして今年も若手の熱量高い芝居でした。この勢い感もふだん観ている扉座の本公演とは一味違っていいのです。今回Bキャストの中では特にキーとなる池田まゆみ役の有村茉奈香さんが、私のなかの役のイメージとぴったりで好みでした。今後もこの公演は続いていくのでしょうが、このキャストで観られるのは1年きり、というのが切なくもあり演劇らしさでもあるなあと。

■2月25日 BS日テレ「その時・歌は流れた」スペシャルコンサート

 尾崎亜美さんが出演するので観てきました。コンサートとなってますが実態はテレビジョンの公開番組収録。カメラが入り後日放送があることはアナウンスされてましたが、コンサートを適宜編集して出すのかと思っていたら、トーク用のひな壇セットが脇に組まれていたり、進行も所々でカットが入ったりして、いかにも収録という感じだったのでびっくりしました。ステージ前はカメラが動き回りカンペを持ったスタッフがいたりして。。。亜美さんは3曲披露。神園さやかさんはじめ番組レギュラー陣の歌唱も素晴らしく、トークも多めで楽しい時間ではありました。後日放送されるので詳細は割愛します(^^;

■2月27日 すみだパーク扉座おとな演劇部公演「ご長寿ねばねばランド」

 劇団扉座が運営する大人の部活動的な演劇集団の公演で、以前も観たものです。今回も部活の域を超えた本格的な芝居で、筋書きの良さもあって観て良かったと思いました。コミカルな要素もふんだんに盛ってあり楽しいですが、これから向かっていくであろう超高齢化社会を先取りしたような物語は考えさせるものがあります。A,B,Cキャストがありましたが都合により観たのはCキャストのみ。以前の出演者も多かったですが配役が全く違いましたので、違いを楽しみながら観てました。キャラクターの設定が同じでも演じる人が変わるとやっぱり違いますよね。この公演も「リボンの騎士」のように定番化して欲しいなと思います。

 

 ということで2月のまとめでした。3月はもうちょっとまめに書かないとですね。。。

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2025年12月16日 (火)

劇団扉座「つか版・忠臣蔵2025」を観る

 12月9日から14日まで、東京・紀伊國屋ホールで劇団扉座の「幻冬舎プレゼンツ つか版・忠臣蔵2025」が上演されており、千穐楽前日の13日の夜公演を観てきました。扉座のつか版・忠臣蔵は2012年に初演され、13年に再演、14年に再再演されており、今回は4回目。前評判がよく前売りがほぼ売り切れで、私も1回だけの観劇となりました。

 私は再演と再再演を観ていますが、11年を経た今回の上演でも主要キャストの多くは当時のままというのが劇団公演ならではな気がしました。客演ながら初演から出演し続けている山本亨さん(役・宝井其角)がいるのも嬉しい。とはいえ退団した劇団員もいるので役の味付けが変ったところもあり、演出も変わったりしているので、奇想天外なストーリーや舞台の熱量はそのままながら、よりスタイリッシュになったと感じました。より大人向けになったというか。キャストも客席も年齢が上がってますしね(^^; テンポの良さやキャラの立ち方、立ち回りの迫力などは変わらず、2時間休憩なしでぐぐっと見入る芝居は楽しかったです。扉座主宰の横内謙介さんならではの、所々に突っ込まれた直近の時事ネタも楽しく客席が沸いてました。

 今回の主なキャスト変更で私が感じたことを少々。
・浅野内匠頭の妻 阿久利:砂田桃子さん 前任の高橋麻里さん(退団)よりもまじめになった印象。麻里さんが不真面目だったわけではないですが(微笑)お茶目なシーンと凛としたシーンとキレるシーンのふり幅がとても大きかったので。
・吉良上野介:累央さん 前任の鈴木利典さんが徹底的にコミカルだったのに対して、少し気が弱そうで本当はいい人な感じに大変化。でもしっかり悪役になるのですが(笑)
・公儀介錯人 磯武太夫:友部康志さん(客演) 前任の松本亮さん(退団)の味付けを受け継いだ感じで、キャスト変更で印象があまり変わらなかったのが印象的(なんか変な言い回しになりましたが)
・大石主税:北村由海さん 前任の江原由夏さんとは対極的に小柄なのでまず見た目の印象が様変わり(微笑)。発明家になりたいという設定で新キャラ登場といった感じでした。

 さて千穐楽前日の夜公演といえば、終演後はお楽しみの山中崇史さん責任進行のイベント「ラクイブナイト」。客演の山本さん、友部さんと扉座の横内さんを舞台に上げてのインタビューで始まり、めずらしく真面目な内容だと思ったら後半は劇団員にまつわるクイズ大会。犬飼淳治さん(役・大石内蔵助)が散々ネタにされてましたが、これはお約束ですね(笑)

 そうそう、今回はロビーのお花が半端なかったです。壁際だけで収まらず物販スペースの後や横にも花が列をなし、客席への階段にまで。ロビーなのにもはや人が溜まる場所がありません(微笑)。スポンサーの幻冬舎・見城社長への花も多かったです。秋元康さんから来ていたのは横内さんがAKBの構成員が出る芝居を手掛けているからでしょうね。公演中には第60回紀伊國屋演劇賞の団体賞に劇団扉座が決まるというニュースもあり、大入り盛況な公演に花を添えました。扉座の益々の活躍を期待します。

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2025年10月20日 (月)

とあとあ第6回公演を観る

 先週18日は藤田朋子さんと小林綾子さんのユニット toa-toa の第6回公演を東京・東新宿PetitMOAで観てきました。サブタイトルは「ミのカンナヅキの巻」。巳年で神無月ということですね。朗読劇をメインに歌と演奏とトークを繰り広げるtoa-toaの公演は今回もぎゅうぎゅうの客席。ステージの近さと濃密さは小さなハコならではです。このような環境に朝ドラ女優の2人が集うのはある意味奇跡的だと思うんですが、どうでしょう。木戸銭も5000円(+ドリンク700円)と安いですし(^^)

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【オープニングの撮影タイムにてtoa-toaのお二人】

 1幕の朗読劇は短編の「縁結くんて何物?」。YouTubeのアニメを朗読劇化したそうですが、肩の凝らないコメディで客席からは笑いが絶えず。今回はゲストが1幕から入り、横田大明さんとのトリオで読み進めていたのですが、横田さんが何役もこなしていて大活躍でした。
 歌の時間は「Try to remenber」を越路吹雪さんの歌った歌詞のバージョンで。越路さんを敬愛するソワレさんのお店なので、とのことでした。ここでは小林さんのクロマチックハーモニカが大活躍。伴奏の桑山哲也さんも褒めてました。
 そして桑山さんのアコーディオンのソロ演奏コーナー。シャンソンの秋の曲を2曲メドレーで。演奏に入る前のトークが絶好調で、定番のアコーディオン解説ネタでしたが前方のお客さんのリアクションの大さにノリノリでした。演奏とのギャップがすごいですネ。Toatoa6_2

【オープニングの撮影タイムにて桑山哲也さん】

 休憩を挟んで2幕の朗読劇は長編の「少年口伝隊一九四五」(作・井上ひさし)。これは第2回公演の再演です。今年が戦後80年、広島の被爆から80年ということで、当時広島で起きたことを、特に若い人たちに語り継ぎたいという思いで選んだそうです。ゲストも初演と同じ横田さん。今年は8月をピークとして戦争のことがメディアで多く取り上げられていますが、2年ぶりに聴いて思いを新たにしました。朗読劇は映像がない分、耳で聴きとったことを自分の頭の中で情景を想像して理解することになります。だからひとことも聞き漏らすまいと集中するし、映像だと悲惨で正視できないような情景も言葉として入ってくる。そして自ら考えを深めることにもなるように感じます。朗読劇はまさに「語り継ぐ」手段として適しているのではないかと思いました。重い内容ですが上演後は客席から大きな拍手。良かったです。

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【エンディングの撮影タイムにてゲストの横田大明さん】

 今回も素敵な空間を堪能しました。次回は暖かくなった頃にやれたらいいね、なんて話していたので来年春頃でしょうか。開催案内を待ちたいと思います。

 

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2025年10月 5日 (日)

「ドリル魂2025」を観る

 きのう4日は東京・すみだスタジオパーク倉で公益社団法人日本劇団協議会が主催・制作のミュージカル「ドリル魂2025」の初日を観てきました。新進演劇人育成のためのこの公演は昨年もあって観ていますが、座組が変わり、新たな演出もあり、新鮮に楽しめました。大筋は2024年版と変わらないのですが(昨年の観劇記はこちら) 、1年ぶりだと忘れてたところもあって、ああそうだったよなあと思ったり、ここは昨年と変わってるなと思ったり。ちょっとびっくりしたのは、劇団扉座の研究生の卒業公演として定着している「リボンの騎士~県立鷲尾高校演劇部奮闘記」との連動があったこと。ご存じない方がおいてきぼりになることはありませんが、知っていればムフフとなる演出です。そうきたか!という感じ。

 そして今年も、気鋭の若手の演技が熱かった!満席の客席からもよく手拍子が出たりして盛り上がりました。見どころ満載、初めて観ると驚くこと請け合いのすごいミュージカルです。ダンスやアクロバティックな動きやエアリアルなどエンタメ要素満載なのでミュージカルと聞くだけでなんとなく苦手、と思っている方にもおすすめです。10月12日までやってますので、お時間の合う方はぜひどうぞ。予約も含めた公演情報は劇団扉座サイトで。昨年は終盤に観たのでレポを書いた時点でもう切符が無かったのですが、まだ来週末含め切符あります!

 ちなみに、これから観劇なさる方には、開演前に轟組(←劇中の建設会社名)のグッズであるタオル(1500円)と、特殊視覚効果が得られるというメガネ(300円)をお求めになるとよろしいかと。私は買わずに観たのですが、劇中で客席も一緒にタオルを振る演出があるので、手元にあるとより楽しめると思います。特殊効果メガネは、暗転した舞台で発光するシーンがより楽しめるようです。上演前の前説の時間に、まわりでをメガネ持ってた人がテストで見ていて一様に驚いていましたので!キャストのみなさんが客席に売りに来たりしますが、現金のみなのでお釣りのないように準備しておくとスムーズです(微笑)

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2025年6月16日 (月)

扉座公演「北斎ばあさん」を観る

 14日の夜は劇団扉座の新作公演「北斎ばあさん ー珍道中・神奈川沖浪裏-」を東京の劇場「座・高円寺」で観てきました。事前の告知で、葛飾北斎の娘である老姉妹を主人公に、北斎亡きあとの物語を描くということはわかっていましたがどんな内容になるのか想像がつかず、サブタイトルの「珍道中」で爆笑ものなのかなあと思っていたのですが、コミカルでありながら後半に進むほどに人情ものの要素が強くなり、笑いと涙の入り混じる芝居でした。北斎は登場しないのに、北斎とはどういう人だったのかを娘などを通じて語らせて、その人となりが見えてきます。そして当代一の絵師・北斎の近親者であるが故の苦悩なども。。。北斎の娘が葛飾応為という絵師だったというのは公演情報で初めて知りました。残っている作品が少ないそうで。。。

 老姉妹は扉座のベテラン、中原三千代さんと伴美奈子さんが演じてます。上手いのはもちろんのこと、かっこいいんですよね。特にお栄(=応為)の伴さんは、再演版「二代目はクリスチャン」を彷彿とさせるようなキャラクター設定で男前な感じ。ドキュメンタリーではなく芝居ですのでどこまでが史実かどうかはさておき(それは放送協会の大河ドラマも一緒)とても面白かったです。女性であることのハンディキャップも描かれますが、このあたり今に通じるものもありますね。そして芝居の後半、人は何歳からでもやり直せるというメッセージは心に響きました。これは中高年に対するエールなのかもしれないなあと思いながら観ていましたが、もちろん若い方が観ても面白いし感じるところがあるかと思います。余韻の残る芝居といいますか。多くの方に観ていただければと思います。公演は6月22日まで。公演情報は公式サイトからどうぞ。

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2025年3月16日 (日)

HOTSKY公演「ほおずきの家」再演を観る

 きのう15日は劇団HOTSKYの公演「ほおずきの家」を観てきました。場所は東京・保谷のタクトこもれびGRAFAREホール。最近の劇場はネーミングライツで長ったらしいのが多いですね。。。上演された小ホールは座席の前後間隔がゆったりしていて、見やすく良いホールでした。

 「ほおずきの家」は2023年1月に東京の座・高円寺で上演されたもので、今回は再演。しかもキャストが全く同じというのは演劇では珍しいのではと思います。初演を観て良かったので、今回の再演を楽しみにしていました。

 2年ぶりに観た「ほうずきの家」はやっぱり、良かったです。いまここに綴るにあたって初演の感想を当時の記事で再確認してみたら、今回の感想とほぼ同じだったので、今回は感想を省略(^^; 同一キャストでの再演ですから、当たり前といえば当たり前ですが。セットも同じでしたし。ただ、全てが同じかというとそうではなく、劇中の小ネタに時事性のあるものが仕込まれていたりして、大事なところはそのままに、笑える要素が少し増えた感じ。また話の筋をより強化するような仕掛けも追加されていたりしました。そういったことも含め、良い芝居でした。みんながこんな感じで暮らしてけたらいいのになあと、しみじみ。

 多くの方に観ていただきたい公演ですが、東京はあす17日が千秋楽。そのあと、この作品の舞台設定のモデルである北九州市での公演が3月22・23日の両日あります。公演情報はこちらで。お時間の合う方はぜひどうぞ。

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2025年3月15日 (土)

とあとあ 第5回公演を観る

 順番が前後しましたが、8日は東京・東新宿のPetitMOAで藤田朋子さんと小林綾子さんの朗読・音楽ユニット toa-toa (とあとあ)の第5回公演を観てきました。このシリーズ、いまのところ全回制覇できております(^^)  昼夜2公演でしたが夜の部へ。雪の予報もありましたが雨で済みました。客席はPetitMOAの限界まで並べた席がほぼ埋まる盛況。昼の部は完売だったようです。

 今回も2幕構成。1幕は短編の朗読劇として「覚えてない」。コットンのコントを朗読劇に仕立てたコメディで大いに笑いました。音楽は藤田さんのボーカル、小林さんのクロマチックハーモニカ、桑山哲也さんのアコーディオンでジャズの「L-O-V-E」。このシリーズでジャズは初めてですが、藤田さんは南青山MANDALAでのライブでジャズアレンジの曲も歌っているのでバッチリです。桑山さんのソロ演奏は、バンドネオンの「リベルタンゴ」をイメージしてアコーディオンのために書かれた曲(だったかな?)。例によってトークで笑いを取りに行ってましたが演奏は素晴らしいです。アコーディオンの解説もありましたが音色の切り替えスイッチがあることは初めて知りました。

 2幕は宮川一朗太さんをゲストに迎えての長編の朗読劇「びっくり箱」。前回に引き続き向田邦子作品ですがコメディタッチでところどころで笑いが。娘の結婚に厳しかった母が実は・・・みたいな、実生活でもありそうな話。悪い方向に行きそうな展開になりつつ最後はお互いにハッピーエンド。途中に出てくるびっくり箱が最後のオチに効いてくる、面白い話でした。母、娘、娘の恋人、母の恋人の4人が主な登場人物ですが、ここで宮川さんが大活躍、娘の恋人と母の恋人の2役なのに双方の会話シーンがあり、声色と顔の向きで演じ分けてまるで落語みたいでした。情景が見えてくるような朗読劇に大拍手。桑山さんの劇伴も良かったです。

 朗読劇のあとはtoa-toaと宮川さんの3人でおしゃべりタイムというか「感想戦」。宮川さんが出演することになったいきさつとか楽しかったですが、ここで宮川さんが裏話を投入。もともとの脚本では藤田さんが母、小林さんが娘だったのにゲネも終わった公演前日になって藤田さんと小林さんの役を入れ替えることになったと連絡が入って大慌てだったそう。藤田さんと小林さんのふたりで試しに役を入れ替えて読んでみたらいい感じだったから、ということらしいのですが、ゲネがゲネになってない(笑) ちなみに個人的に感じていることですが、しっかり者の風情がある小林さんには年上役、ちょっとお転婆な風味がある藤田さんには年下役が似合うと前々から思っていました。なので今回の入れ替え判断は良かったと思います!

 毎回同じような感想になりますが、大物役者のパフォーマンスをこんな小さなハコで、生声で、間近で観られるというのは実にすばらしく楽しいです。おすすめです。

 最後に恒例の撮影OKタイムから。撮影スタッフが居ないのでネットに上がった客席からの写真をあとで拾うのだそうです(^^)

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 こちらは1幕の冒頭。春っぽいですね。

 

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 こちらは2幕朗読劇のあとの感想戦。右に桑山さんもいらっしゃるのですが私の位置からは見切れていて写ってません(^^;

 次回はいつになるのかな。あればまた伺いたいです。

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2025年2月12日 (水)

演劇「日の丸とカッポウ着」を観る

 10日は東京・浅草九劇で演劇「日の丸とカッポウ着」を観てきました。1932年に大阪で誕生し全国組織になった「国防婦人会」の顛末を描いた演劇です。これを知ったのは9日付東京新聞の「社説」。「カッポウ着と戦争協力」のタイトルでこの演劇を取り上げ、そこに込められたフェミニズムの視点と戦争協力に組み込まれた歴史から何を学ぶかを論じています。硬軟とりまぜたテーマを「ですます」調で書き比較的柔らかいのが東京新聞の日曜の社説「週のはじめに考える」の特徴ですが、演劇が取り上げられるのはたいへん珍しいことです。読んで、これは観ておきたいと思いましたが席が空いていたのが10日夜だけだったという次第。連日満員だったようです。100席ほどの小劇場でしたが私が観た回も通路までびっちり埋まってました。

 内容については紹介した社説を見ていただければだいたいわかっていただけると思うので割愛(^^; 初めは素朴な思いから始まった主婦の民間運動が、国(陸軍)に取り込まれて国民統制の手段に変わってゆく(変えさせられてゆく)様には考えさせられましたし、怖いなという。。。ただ、初期の段階で国防婦人会が運動を大きくするためや、役人・軍人の妻で構成されていた「愛国婦人会」への対抗心から陸軍の後ろ盾を得ようとした時点で(芝居ではそう描かれている)運命は決まっていたようにも見えてしまいます。もちろん、歴史として後から見ているからというのもありますが。大阪vs東京、庶民vs上流階級という対抗心を周囲(そこには新聞も入る)が煽らなければ、もう少し違った結果になったかもしれないかなと思うのは甘いのかな。

 それと、本当のことを知らないことの怖さでしょうか。中国で本当は何が起きていたのか知らぬまま国防婦人会は活動していたわけで、これもまた知っていたらもう少し違った結果になったかもしれないかも、なのですが当時は情報統制で知る由もなく。。

 重いテーマでしたが、基本は大阪のおばちゃんが織りなす物語なので特に前半は大阪的なノリのコミカルな味付けで笑いどころも多数。役者さんもみなさん良くて、約2時間ぐいぐいと引き込まれる芝居でした。

 戦後80年の今年にこの演劇を観ることが出来て良かったです。やはり「戦前」にはしたくないですね。

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2025年2月10日 (月)

扉座サテライト公演「リボンの騎士2025」を観る

 劇団扉座の研究生の卒業公演である「リボンの騎士2025 県立鷲尾高校演劇部奮闘記」を今年も観てきました。6日から9日の上演でしたが私が観たのは8日の配役B楽日と9日の配役A・大千秋楽の2回。今年も配役違いのA・B2パターンによる上演でしたので両方セットということで。観るほうは役の違いによる演技の違いも観られて面白いのですが、演じる研究生はA・B両方の役を覚えなければならないので大変だと思います。

 今年はまた演出を少し変えてきました。歌のシーンがいくつか盛り込まれて、ミュージカル的要素も含んだ形に進化。また、劇中の生徒会総会のシーンがオンライン開催から対面開催に変わりました。もともと扉座の本公演では対面開催だったのが、新型コロナ禍における演劇の上演を「トライアル」する中でオンライン開催という形に変えてきた演出を研究生の卒業公演でも引き継いでいたのですが、世相を反映した形になりました。また、人員の関係で扉座本体より北村由海さんと大川亜耶さんという若手の巧者2人がスペシャルサポートで参加。この二人は流石としかいいようがないです。

 今年の公演はA・Bどちらも役がきれいにはまった感で甲乙つけがたい感じでした。毎年のことですが若手の熱気あふれる舞台には圧倒されます。そして、話の筋はわかっているのに毎年観たくなる芝居です。それは、細かな演出変更などもありますが、なんといっても卒業公演。ここからみな巣立っていくわけですが、最後にすべてをぶつける感が伝わってくるんですよね。この座組での上演は2度とないわけで。もっとも演劇の世界では再演されることがあってもキャストがすべて同じ顔触れになることはめったにありません。そういう儚さを持ち合わせているのも心を揺さぶられるひとつなのかなあと思います。研究生のみなさんに幸あれと願います。

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