2025年1月28日 (火)

30年目の神戸ルミナリエ

 24日から開催されている第30回神戸ルミナリエを先週末に観てきました。新型コロナ禍であった2020年度~22年度の3年間は代替行事の実施のみで実質的に中止されており、2023年度から復活したのですが観てはおらず、私としては復活後初めて観るルミナリエでした。復活後のルミナリエは大きく変わったので、この目で観ておきたい思いもありました。まず、開催時期が12月から1月に変わりました。先に「年度」で記載したのはこのことによります。そして以前の会場は、旧居留地の仲町通りと、それに続く東遊園地でしたが、仲町通りの「光の回廊」はメリケンパークに移って分散化のうえ、有料化されました。有料ゾーンの入場には日時指定の入場券が必要で、当日券が出るかどうかは前売券の売れ行き次第となっています。

 私はできるだけ新型コロナ禍前に近い形での観覧をしたかったので、メリケンパークからスタート。

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 巨大な光の回廊が出来ていました。玄関にあたる両翼の壁も大きい。ちなみに、光の回廊の正面方向については有料ゾーンと無料ゾーンの境に黒い幕が張られていて、無料ゾーンからは回廊の上のほうしか見えません。横方向と向こう正面は遮りるものはないので普通に見ることができます。頭隠して尻隠さず、みたいな。

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 注目したいのは回廊の天井。これまでのルミナリエではアーチの骨組に相当するところだけに電飾がついていたものですが「屋根」に相当するところまでびっしり電飾がついています。これは初めてではないでしょうか。30年の節目ということでかなりがんばったみたいです。

 有料ゾーンの入場の際に「Thank youカード」が渡されます。これを周辺の提携店に持っていくと特典が受けられるというので南京町の提携店で夕食。一品サービスを頂きました。「Thank youカード」は会場で行われている100円募金への協力でももらえます。

 南京町から仲町通りを進むと途中の三井住友銀行前に看板のような電飾作品が置かれていました。そして東遊園地へ。

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 ここは光の壁掛け「スパッリエーナ」ですが、大きいです。圧巻。ただ、メリケンパークもそうですが、私ははしゃぐ気にはなれず、厳粛な思いで見上げていました。教会音楽のようなものも流れていますし、綺麗というより荘厳。なにより、阪神淡路大震災の犠牲者の鎮魂と街の復興を願って始まった行事です。でも、行ってみると、これじゃ言われなければわからないだろうなとも思います。

 メリケンパークの一角には地震で崩れた岸壁を保存した震災メモリアルパークがあります。元町方面からルミナリエ有料ゾーンへの動線上にあり、円形の電飾「ソローネ」が置かれてはいるのですが、肝心の震災遺構は壁で隔てられているので気づく人が少ないのではと。実際、訪れる人はいますが有料ゾーンの混雑とは比べ物にならないほど少ないです。
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 東遊園地の一角には1.17希望の灯りがあります。ここにも小さな電飾が設置されてはいますが、人の集まるところからの誘導もなく、知っている人だけが訪れているというような状況でした。

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 1月17日付東京新聞朝刊には、震災の記憶や経験の継承の課題を扱った記事の中で「単なるイルミネーションと思われている」「本来の趣旨が伝わっていない」という実行委員会のコメントが載っていました。実際に現地に行ってみて、はて、実行委員会は何か努力をしているのでしょうか?と思いました。公式サイトでは趣旨の説明がありますが、もっと会場で震災関連行事であることをアピールしたり、直接的に震災関連の展示をしたりしたほうが良いのではないかと思う次第です。30年が過ぎ記憶の継承が難しくなりつつあるからこそ、冬の神戸の一大行事であるルミナリエをうまく活用してはと思います。

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2024年4月 8日 (月)

虚構新聞展を観る

 3月31日は大阪・粉浜でソワレさんのライブを観てきたわけですが、せっかく大阪に行ったので堂島できょう8日まで開催の「虚構新聞展」も観てきました。嘘ニュースを配信する虚構新聞は以前から見ているので、それが展覧会をやるというのでどんなもんだろうと、野次馬的な感じで。会場はABC朝日放送の敷地内?のArt Beat Cafe。カフェの名前の頭文字がABCですね。

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 行ってみたら、あれ、本当にカフェだ(笑)。要するにイベント向けの展示スペースがあるような会場ではなくて、普通のカフェなんですね。しかもさして大きくない。これで入場料1000円なのか?と入ったときには思いましたが、内容は濃かったです♪

 入ってすぐのところには、社史と代表的な記事、そして本当の社会の動きを3段に並べた巨大な年表。公称の創刊が1880年とは初めて知りました(微笑)。この年表を見ると記事はばかばかしいのですが、ちゃんと社会の風刺になっていたり世相を反映したものが多いのがいいですね。

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 他には、虚構記事のネタを実際に形にしたものがいくつか展示されていたり、虚構新聞社の社主の部屋のイメージがあったり、虚構記事を紙面化してスクラップブック風に綴った冊子があったり、虚構記事をテレビニュース風に仕立てた動画が流されていたり。変わったところでは梅田にあった大阪マルビルの模型なんかもあって、その最上部の円形の電光掲示板に虚構記事の見出しが躍るという(笑)。展示物が多い訳ではないですが、なかなか笑えました。

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 会場のカフェには虚構記事にちなんだコラボメニューもあり、私は天日干しバームクーヘンと「嘘」が浮かび上がったカフェオレを頼みましたが美味しかったです。バームクーヘンは天日干しはしてないんでしょうけど表面がカリカリに仕上げてあって、中のしっとり感との対比がなんとも言えなかったです。

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 この日は社主UKさんのトークショーもあったのですが、時間がソワレさんのライブとまる被りだったので残念ながら聴くことはできず。でも十分楽しめました。こういうばかばかしい企画ができる世の中は大切にしたいです。

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2023年10月11日 (水)

京都市に交通「政策」はあるのか

 すでに綴ったとおり昭和とらいあんぐるの関西ツアーを観るため9月30日は京都を訪れたわけですが、この日は京都フリークにとってはエポックな日で、観光客にたいへん良く利用されていた京都市交通局のバス一日券(発売額700円)がこの日をもって発売終了となりました。(購入済の一日券は2024年3月31日まで使用可能)

 廃止理由について交通局のウェブサイトでは、市バスの混雑対策の取り組みの一つと説明しています。引き続き発売される「地下鉄・バス一日券」を使ってもらうことで、観光客をバスから地下鉄へ分散させたいようです。確かに、バス一日券を買ってしまうとできるだけバスで移動しようという心理にはなりますから、一つの方法ではあるとは思います。もともと交通局の一日乗車券は「地下鉄・バス」のみだったところ、バスの利用促進策として割安なバス一日券が登場したという経緯もあり、外国人観光客の増などで市バスの混雑が問題となる中、役割を終えたとも言えます。

 ただ、思惑どおり観光客が地下鉄に分散するかというと、あまり効果はないのではという気がします。地下鉄・バス一日券は発売額が1,100円。京都市のバス均一区間(運賃230円)は拡大を重ね、今や市バスの大部分が均一区間ですから、一日券を買わずにバスだけ乗車したほうが安いケース(=乗車4回まで)も多いように思います。なにより地下鉄で行けるメジャー級の観光スポットは、二条城、平安神宮、知恩院、南禅寺、京都御所など数えるほどしかありません。地下鉄を観光で活用する場合はバスとの乗り継ぎが前提になりますが、バスのほうが乗り換えなしで行けたり停留所が目的地に近かったりするわけで。。。

 加えて不可解なことに、バスの乗客を地下鉄に分散させようとしているのに、2023年3月31日限りで地下鉄と市バスの乗継割引が廃止されてしまっています。これは観光客はあまり意識して利用していなかったかもしれませんが、交通系ICカードで乗車すると自動的に割引が入っていたのです。こうして見ていくと、一日券の見直しにしろ乗継割引の廃止にしろ、交通局の赤字対策のほうが前面に出ているように思えてならないんですよね。乗客を地下鉄に分散させたいならそのような運賃体系であるべきで、それが政策だと思うのですが。。。

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2023年4月 5日 (水)

春爛漫の京都と「桜の闇に振り向けば」

 この週末、ふらっと上洛して桜見物してきました。

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 こちらは蹴上。琵琶湖疏水の建設を機に生まれた明治期の重厚な建築物が残る界隈で、桜スポットになっています。有名なのは高低差のある水路の間の船を運搬したインクライン(傾斜鉄道)の跡ですが、人が多くて写り込んでしまうので、インクラインから浄水場の建屋が見える方面を。盛りが過ぎて散り始めではありましたが、十分綺麗でした。

Heian

 こちらは平安神宮の神苑。明治維新で荒廃した京都の復興を期して開かれた内国勧業博覧会のメインパビリオンとして内裏の朝堂院を模して作られたのが平安神宮。神苑の桜は見応えありました。

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 神苑には、日本初の電気鉄道である京都電気鉄道から引き継いだ京都市電北野線(1961年廃止)の車両が保存されています。事情を知らないと場違いに見えますが、内国勧業博覧会への交通手段として京電が開業したという縁で鎮座しています。開業時の車両ではありませんが明治生まれ。2020年に重要文化財になっていたとは知りませんでしたが、その割には痛みがちょっと(^^; できれば吹きさらしでないところに保存して欲しいところです。

 で、一番見たかったのはこれ。

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 夜の円山公園の枝垂れ桜です。かがり火が焚かれているという情報に接してぜひ見たいと思ったのでした。もちろん河合奈保子さんの「桜の闇に振り向けば」のイメージと重ねて♪ ただ、円山公園は花見の定番スポットでとにかく人が多いし周りは屋台が出ているしで、情緒に浸れる感じではありませんね(^^; 引いて撮ったのがこれ。いちおう人だかりにはモザイク処理を。

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人は多いですが桜は綺麗でした。

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 こちらはご近所の知恩院の山門。幻想的です。

 急に決めたので駆け足で巡りましたが、なかなか良かったです。こんどはゆっくり回ってみたいです。

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2022年7月27日 (水)

3年ぶりの祇園祭 後祭山鉾巡行

 というわけで週末は上洛、3年ぶりとなる祇園祭の後祭宵山と山鉾巡行を観てきました。祇園祭の各行事は暦の日付で決まっているので、山鉾巡行が日曜に当たるのは貴重です。山鉾巡行は17日の先祭と24日の後祭があり、人気が高いのは先祭ですが、今回後祭を選んだのは、落ち着いてゆっくり楽しめそうだということと、休み山だった鷹山が再興され196年ぶりに巡行に復帰するというトピックがあったことが大きいです。

 ますは23日に前乗りして宵山を散策。後祭の山鉾は11基と先祭の半分以下で、山鉾の建つ範囲もおおむね烏丸通、新町通、姉小路通、四条通に囲まれた狭い範囲なのでコンパクトに回れますし、そぞろ歩きできる程度の人出でゆっくり観られました。そんな中でも、やはり人が多かったのは再興した鷹山。

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 華麗な懸装品をまとっていますが曳山自体は塗装もなく、いかにも真新しい感じ。ここから新たな歴史が始まるんだなと思うと感慨深かったです。夕食に思った以上に時間を要してしまい山鉾町に着いたのは20時過ぎだったのですが、鷹山はちまきも授与品も売り切れで、売場は撤収モードでした。

 明けて24日の巡行は、まずは河原町三条で観覧。10時過ぎから橋弁慶山を先頭に山鉾が次々に通過していきましたが、3年ぶりの巡行に携わる人々がみなさん誇らしげな感じがしました。天気がよく各山鉾ともビニールシートを外しての巡行でしたので、美しい懸装品もしっかり堪能できてよかったです。まさに動く美術館。そして、やはり注目は鷹山で、この山だけ報道陣がぞろぞろついてきました(苦笑)

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 お囃子もとてもしっかりしていて、真新しい山を見なければ今年復興したとはわからないぐらい。山の運行もスムーズでした。

 しんがりの大船鉾を見送ってから、新町通に移動。四条烏丸で巡行を公式には終えた山が、この通りを帰っていく光景が好きなんです。まずは鷹山を見送り。

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 続いて北観音山の帰りを見送り、最後は南観音山の会所前で到着を見守りました。到着後の手締めにもしっかり参加して、観覧終了。ちなみに、巡行順でいうと北観音山、南観音山、鷹山になるのですが、新町通では山の位置の関係で鷹山を先に通すため、北観音山と南観音山は四条室町あたりで待機していたようです。ということはその場に居れば大型の曳山3基の揃い踏みが見られたわけで、これはいつか見てみたいです。

 今年は鷹山が大人気でしたが、これを機に後祭もメジャーになっていくといいなと思いました。鷹山の復帰で大型の曳山と鉾は合わせて4基となり、華やかさが増しました。(小型の舁き山も懸装品は立派ですし載せているご神体も個性的で魅力的ですが)

 疫病退散が本来の趣旨である祇園祭が2年にわたり疫病によって縮小を余儀なくされたというのは皮肉と言う他ないですが、3年ぶりに行われた巡行はブランクを感じさせないもので、事故なく終わって何よりでした。本当に疫病退散して欲しい!そう願います。

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2022年4月 5日 (火)

徳川家は京都好き?

 週末の4月2日、東京・上野公園に行ってみました。人出はそれなりに多かったですが、全域で宴会は禁止になっていているうえに、メインの通りは中央線を境に北行と南行に分離した一方通行になり、流れはスムーズ。「花を見る」ならこれで十分ですね。肝心の桜は、散り始めてはいましたがまだ見頃の範囲でした。ピークは週の半ばだったんのかな。紅葉以上に時期を合わせにくいのが桜です。自然が相手なので仕方ないですが。

 上野公園には寛永寺の施設として清水観音堂があります。ここも桜に囲まれて綺麗でした。

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 名前からわかるように、京都の清水寺を模しています。規模はだいぶ小さいですが、斜面に舞台が張り出す懸造りになっているのが分かります。写真では切れてしまっていますが、右手には斜面を上がる石段もあり「本家」と同じような配置です。音羽の滝はさすがにありませんが。

 お堂の正面の円を描いたような不思議な樹形は「月の松」と言われるもので、江戸時代から名物だったそうです。これは本家にはありません(^^;

 上野からほど近い、小石川後楽園の中にも、清水観音堂「跡」があります。関東大震災のときに焼けてしまったそうで、礎石しか残っていませんが、ミニサイズながら絵図で懸造りになっていたことが分かります。寛永寺は江戸幕府が天海僧正に整備させたものですし、小石川後楽園は水戸藩上屋敷の庭園ですから、どちらも徳川家の趣味ということになろうかと思いますが、清水寺を模したものが2つもあるなんて、どんだけ京都にあごがれてたのよ、と思ってしまいますね。それと同時に、当時から清水寺は超メジャーな名所として認識されてたのだなあということもわかるような気がします。

 そうそう、清水観音堂では花まつり期間ということで、舞台上でお釈迦様に甘茶をかけたり、甘茶の接待もありました。人生初体験!

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2022年3月10日 (木)

東京大空襲77年

 きょう3月10日は一晩で10万人が殺されたとされる東京大空襲から77年の日でした。この惨禍を繰り返さないという思いが込められた東京大空襲資料展を訪れました。会場は浅草公会堂の1Fギャラリー。広くはないスペースですが、柳条湖事件から始まる日中15年戦争の歴史、東京の空襲の履歴、防空体制と国民統制、学童疎開、焼夷弾とB29の解説、空襲の実態などがパネル展示や実物資料、写真などでコンパクトにまとめられていました。目をそむけたくなるような凄惨な写真も含まれていますが、これが戦争。戦争指導者は絶対安全なところにいて指示するだけで、犠牲になるのは庶民や最前線の兵隊です。

 多くの犠牲が出たのは米軍による焼夷弾攻撃のすさまじさもありますが、パネル展示によれば国民が防空法に縛られていたことも大きいです。防空法により都市からの退避が禁止され、空襲時には消火義務が課せられていました。「逃げるな火を消せ」です。当時の警視総監が後になって「防空演習がかえって犠牲を増やしたのではないか。逃げてくれればこんなに犠牲は増えなかった」と悔やんだといいますが、後の祭りです。

 会場で配布されていたパンフレットを参考に、浅草寺境内に残る空襲の痕跡も見ました。

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 本堂の東側にあるご神木です。拡大していただくとよくわかりますが、黒く焼けた跡がはっきり残っています。東京大空襲で浅草寺は本堂も五重塔も雷門も仲見世も焼け落ちました。今日はそんなことがなかったかのように大勢の参拝客でにぎわっていましたが、こうして静かに惨禍を伝えているものもあります。

 資料展に出ていた日中15年戦争の歴史を見ていると、いま進行中のロシアによるウクライナ侵攻と重なります。ウクライナを中華民国に、ウクライナ東部2州を満州に置き換えてみれば。。。即時停戦を求めます。

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2022年3月 7日 (月)

ミロ展を観る

 週末は東京・渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで「ミロ展~日本を夢みて」を観てきました。正直なところ、ミロのような作風はあまり心惹かれないのですが、副題にある「日本を夢みて」に興味が湧きました。

 浮世絵(錦絵)をコラージュで貼り付けた人物画、扇をモチーフに取り入れた絵、平面的な風景画のような20世紀初頭のジャポニズムのブームの影響を受けたようなものから、巻物形式の絵や、戦後に初来日して以降に制作された、まるで書を思わせるような作品のほか、ミロが所蔵していた浮世絵や民芸品、刷毛やたわし(笑)のようなものまで、確かに日本とつながりを感じられるものが多数展示されていて興味深かったです。やきものまで作っていたとは驚きでした。

 展示されていた初期の作品はゴッホに近いポスト印象派といった感じでしたが、パリに移ったあとの作品はシュルレアリスムのほうに行って「なんだこれ」という感じになるわけです。絵の横の解説に「女」だと書いてあっても、どこがだよ、みたいな(微笑)。それがいままで心惹かれない理由だったのですが、本展を観ていて、個人的には縄文の土偶や土器に通じるものがあるなあと思ったりしました。土偶はたいてい女性を表しているそうですが、デフォルメがものすごくて「そんな人いないだろ」みたいなところ、ありますよね。遮光器土偶だって、どうしてああいう造形になったのか。あるいは火焔型土器。あの必要以上に凝りまくったデコレーションは何を表しているのかよくわかりませんが、そういうところとも通じているような。もっともミロは土偶も土器も見ていないと思いますが。。。そう考えると「何が描かれているのか」理解しようとする必要はなくて、パターン・イメージとして受け止めて見ればいいなと。

 本展の出品作品はかなりの数が国内の美術館などに所蔵されているものでした。またミロに関する単行本は世界に先駆けて日本で、それも戦前に出版されていたというのも驚きでした。日本にはミロの作風を受け入れる土壌があったということでしょうか。これも面白いですね。

 私が観たのは3月6日でしたが「ミロの日」とかで、出口でミロ(麦芽飲料)を貰いました(笑)。改めてパンフレットを見たらネスレ日本が協賛してるんですね。こういうダジャレ、嫌いじゃないです。

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2022年1月17日 (月)

忘れるものか

 きょう1月17日は阪神淡路大震災から27年でした。休み明けの平日ですが、思えば27年前も成人の日の振替休日の翌日でした(当時の成人の日は1月15日固定)。関東住みの私が朝7時頃に起きて、地震を伝えるNHK総合テレビジョンに映っていたのは電柱が倒れていた映像だったと記憶しています。「派手に倒れてるな」とは思いましたが、いつもどおり出社。まさかあんなことになっているとは、その時点では思いもしませんでした。

 今日、追悼行事が行われた場所の一つである神戸・三宮の東遊園地に灯籠で形作られた文字は「忘」でした。当事者の危機感を表しているように思えました。関西に居たことはあっても震災の直接の当事者ではない私ですが、忘れるものか、という思いです。遠く離れていても、それぐらい衝撃を受けた災害でした。何も語れることはないけど、せめてこうして綴ることだけはしていきたいと思います。私が語れないことは、神戸新聞が伝えています。

 * * *

 14日から開幕した東京国立博物館の特別展「ポンペイ」をきのう16日に見てきました。火山の噴火によって埋もれた都市としてあまりにも有名ですが、展覧会のキャッチコピーは「そこにいた。」でした。出土品などを通して、そこに暮らしていて犠牲になった人々に焦点を当てようとしたものと理解しました。最初の展示物は、うつ伏せで倒れている状態の女性の犠牲者の石膏像でした。その像の型をどうやってとったのか、解説がなかったので技術的なことはわかりませんが、あまりにも衝撃的でした。この展覧会は写真撮影OKなのですが、これだけは撮る気になれませんでした。災害というとどうしても記録に残りやすいハード的な被害に目が行きがちですが、そこに生きていた人がいたということを忘れないようにしたいと思います。

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2021年12月 2日 (木)

錦秋の京都・2021

 12月に入り京都の紅葉の見ごろも終わり近いようですが、先月の20・21日の両日、2年ぶりに紅葉の時期に上洛しました。新型コロナの状況が比較的落ち着いている状況の中で、今年は当たり年であるという情報もあり、これは行っておかないと後悔するかなと。

 果たして結果は。。確かに当たり年でした。近年はなかなか鮮やかというか、深い色の紅葉に巡り合えていなかったのですが、今年は良かったです。

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二尊院(11月20日)

 

Toufukuji

東福寺(11月21日)

 

Shisendou

詩仙堂(11月21日)

 

 他にもいくつか巡りましたが、総じて良かったです。見頃に入りたてでちょっと早いかなというところもありましたが、それはそれでグラデーションも綺麗でしたし。ちなみに一般には色づきが5分になると「見頃」と表示されます。旅程を最盛期(ピーク)に合わせるのは年によって変動がありなかなか難しいところです。

 人出は多いと言えば多いですが、コロナ前に比べれば7割~5割という体感。TVのワイドショーでは混雑を強調するような取り上げ方もありましたが、コロナ前はそれこそ人が渦を巻くような感じでしたので、それに比べれば落ち着いてました(あくまで当社比です)。東福寺の臥雲橋・通天橋も写真撮影が禁止でなかったですし。コロナ前の数年はあまりの混雑に撮影禁止となっていたものです。

 そんな状況でしたが、京都が最も賑わう時期に市バスの観光系統(急行100番台)が全面運休という対応はどうなんでしょうね。交通局のサイトによれば感染拡大防止のためとされていますが、結局生活系統に観光客が押し寄せて混雑してしまいます。地下鉄の烏丸線が増発してたぐらいですから、清水寺・銀閣寺方面の100番だけでも動かしたほうが良かったのでは?と思ってしまいます。

 あと印象的だったのは、この状況でも行く先々でアジアの外国語の会話もそこそこ聞こえました。インバウンドは原則止まってるはずですから、国内に定住・共生している方が多いのかなと実感した次第です。

 桜は毎年、確実に花を咲かせて見応えもあまり変わらないものですが、紅葉は年によって色づきが結構変わります。時間によって光線の具合も変わり、まさに一期一会。今年見られたことに感謝しつつ、また当たり年が来ることを期待したいと思います。それには温暖化を止めねばならないですね。

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