劇団HOTSKY公演「ミカンの花が咲く頃に」を観る
3月もあっという間に月末に。今さら感はありますが、20日に劇団HOTSKY公演「ミカンの花が咲く頃に」を観たことを綴ります。劇場は東京の座・高円寺。作が釘本光さんで、以前観てとても良かった「ほおずきの家」と同じ方。加えてキャストに贔屓にしている扉座から2名参加しているので、これは観に行かねばとうことで。
この作品は以前に上演したものの改訂しての再演だそうで、実際に九州であった高速道路建設に伴うミカン農家の立ち退きのことを下敷きにしているそう。日本の「公共」事業は動きだすと止まらないものですが、国に抗うことを冷笑したり非難したり異端視する風潮に一石を投じる内容でした。誰だって平穏な生活を送りたい。ただそれだけのことで。。。ただ、いろんな立場によって行動は変わってくる。反対運動に加わる人もいれば、補償金と引き換えに立ち退きに応じるほうが実利があるとする選択もある。芝居には立ち退き地区の出身なのに県庁に就職したことで立ち退きの交渉が仕事になっている職員も。。。そうするとコミュニティに分断が生じてくるのだけど、いっぽうで立場の違いを超えて今までどおりのつきあいをしていきたいという人も出てくる。いろんなことが重層的に描かれていました。サブストーリーとして親の決めたことに従ってきた高校生が「自分のことは自分で決めたい」と思って行動することも描かれていて、これが「国が決めたこと」に翻弄される立ち退き地区の人々の思いと重なって見えてきます。観ていて自分が当事者になったらどうするか考えさせられるような芝居でした。芝居ではとある九州の過疎の村が舞台になってましたが、再開発とか都市計画道路の建設とか都市部でも立ち退きにつながる事業はあるわけで、誰もが当事者になりうるかと。
久しぶりに観た歯ごたえのある芝居でした。こんな世相だからこそ「声をあげること」を大事にしたいと思います。


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