河合奈保子さんの「Wings Of My Heart」が主題歌となった映画「TSUSHIMA」がついに9月5日、一般公開されました。ということで初日にさっそく観てきました。上映館は東京のシアターギルド代官山。いわゆるミニシアターではあるのですが一般的な映画館とは大きく異なり、館内にはソファーや籐椅子などが置かれ、スクリーンは大型のLEDモニタ。まるでホームシアターの趣です。加えて音はワイヤレスヘッドフォンで聴くシステム。ちょっと不思議な体験でした。
私が観たのは20時の上映回で、上映前に出演者や監督による舞台挨拶がありました。

左から(敬称略)山根高文[監督]、浜浦綾乃、山田純大[主演]、中西悠綺[ヒロイン]、ケニー大倉、田中愛桜
16時の上映回の舞台挨拶は上映後だったそうですが、上映前ということでネタバレしすぎないよう気にして慎重な物言いをしていたのがちょっとおかしかったです。加えて撮影が2年前だったということで「なつかしい」みたいな話になっていたのも印象的でした。ちなみに公開が2年後になったことについての言及はありませんでした。撮影の裏話的なトークももちろんありましたが、ここではカッツアイ。
さて映画本編です。これはちょっと歯ごたえのある映画です。時代設定として2020年代、1990年代、1960年代を行き来しながら進み、SFやホラーの要素で謎のエピソードがちょいちょい出てくるので読み解くのに少し力が要ります。でも観終わるころにはなんとなくつながっていることがわかってきます。選挙、再生医療、AIが大きな柱ですが最大のものはAI。AIに対する警鐘、というよりもAIを使う(使われる?)ことで自分で考えなくなる人類への警鐘を鳴らす社会派の内容でした。謎のエピソードは最後まで謎だったりするので、観終わってもモヤモヤするかもしれません。そこは自分で考えてください、ということなのかもしれません。そして本編の最後に流れてくるのが主題歌「Wings Of My Herat」。ストーリーが歯ごたえあることもあって、これを聴くと安らぎを感じます。会場で販売されていたパンフレットによれば「人にとってもっとも大切なものは何かを率直にそしてストレートに伝えてくれる」ということで、映画本編の問いかけへの答えとして主題歌にしているようです。
上映後、見送りで館内にいらした山根監督に奈保子ファンであることを明かしたうえで少しお話しさせていただきました。すでにネットの記事でも明かされているように特にファンではないとのことですが、あるきっかけで奈保子さんの歌声に魅了され、これまでリリースされた全ての曲を聴いたのだそう。その中で「これだ」と思ったのが「Wings Of My Herat」だったということでした。ファンしか知らないような曲がなぜ主題歌に選ばれたのだろうと思っていたのですが、なるほどと思いました。今では毎日聴いているそうです。ファンではないことを申し訳なさそうにしていましたが、むしろ特にファンではない方の心を動かしたということは素敵なことだと私は思います。ということで売野雅勇さんの存在は主題歌とは関係ないとのことでした。そうそう、売野さんは研究所の所長役で出演しているのですが、様になってました!
さて、今後の上映ですが、今のところシアターギルド代官山しか発表されていません。そのシアターギルド代官山も9月11日までの上映予定しか発表されていませんが、監督によると12日以降も上映予定だそうです。「衝撃の問題作」だと思いますのでこの機会に如何でしょうか。
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