今さらLFJ2025を振り返る(3)
「Memoires・音楽の時空旅行」をテーマに開催されたクラシック音楽フェス「ラ・フォル・ジュルネTOKYO 2025」を今さら振り返るシリーズ3回目です。公演番号は公式サイトと照合ください。
3日目(5月5日)
◆地上広場キオスクステージ(19:15~)
出演:アンサンブル・コノハ
こちらは誰でも自由に聴ける無料公演です。屋外ですが気候が良い時期なのでそれもまた心地よかったりします。予備知識なしで聴きましたが、まずはいきなりピアノ演奏のみで「ジュ・トゥ・ブ」「愛の賛歌」とシャンソン2連発!そのあとも声楽(こちらがメイン)が入って「オー・シャンゼリゼ」「私の好きなもの」とシャンソン寄りな曲が。ここでシャンソンが聴けるとは思いませんでした。昨年も綴りましたが、LFJはフランス発のフェスなのにシャンソンは本公演で取り上げないんですよね。。。今年のようにジャズは割と取り上げるんですが。他にはスメタナの交響詩「我が祖国」からモルダウなどポピュラーなクラシックなどを声楽で。心地よい声に癒されました。
◆公演315 アメリカ仕込みのアーティストたちが奏でる、ニューヨークの「生」
21:00開演のファイナルコンサートです。クラシックフェスでありながらここにジャズ寄りの曲をプログラムしたところがLFJらしいところ。オーケストラは東京フィルハーモニー交響楽団。そこに曲ごとに多彩な顔触れが加わっての演奏でした。1曲目のガーシュウィン「ピアノ協奏曲へ調」は山中千尋さん(ピアノ)、大井澄東さん(ベース)、山本裕之さん(ベース)が共演。通常は楽章の終わりでは拍手しないクラシックですが1楽章の終わりで拍手が沸き起こるくらい熱演で盛り上がりました。2曲目のワクスマン「アルテミスの夢」はプログラム解説書によると管弦楽版は日本初演とのこと。各楽章の演奏に入る前に前説的な朗読があったり、共演のエリプソス四重奏団(サックス)が宇宙服のようないでたちで入場してきたり(演奏に入る前に取りました)仕掛けが多く、コンテンポラリーの曲なので独特の世界観が楽しめました。で、ここまでで演奏予定時間の80分を使い切り、3曲目は延長戦に(^^; ラストはおなじみガーシュウィンの「ラプソディ・イン・ブルー」。ここで共演したのはフランスのジャズトリオであるポールレイ・トリオ。通常はピアノが途中のカデンツァを弾くところ、ベースとドラムもカデンツァに参加し、そこだけ聴くと完全にジャズでした。そして驚くことに途中、今度はオーケストラのほうがカデンツァ的にジャズ寄りの演奏をするところがあり、なかなかに斬新な「ラプソディ・イン・ブルー」でした。熱演で演奏が終わったのはなんと22:55頃。カーテンコールもそこそこに客電が点いて退場モードになり余韻が無かったのが少々残念でした。ここまで予定時間より遅くなれば帰宅の足が気になるので致し方ないですが、もう少し早く終わっていればカーテンコールが盛り上がり音楽監督のルネ・マルタン氏も登場したのではないかと思います。とはいえLFJが始まった頃の売りは「朝から終電まで」だったので、久しぶりのその感覚が味わえたという点で個人的には悪い気はしなかったです。新型コロナ禍での中断から再開を経て早じまいになっていたので。。。
○おわりに
今年は夜間の有料公演を中心に聴きましたが、昼間も周辺エリアの無料公演などをいくつか聴き、年に1度のクラシックのシャワーを楽しむことが出来ました。もう少しかつてのような「お祭り感」があるといいなと思うのですが、まずはクラシックが気軽に聴ける場が続くことがなにより。来年も開催されることを楽しみにしています。
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