劇団扉座「二代目はクリスチャン」再演を観る
2日の夜は劇団扉座の公演「扉座版・二代目はクリスチャン」を観てきました。2021年に初演された芝居ですが、再演ではいくつかの変更点がありました。まず会場が演劇の聖地・紀伊國屋ホール。つかこうへい原作の芝居を紀伊國屋でやるというのは演劇人にはとても大きなことなのだろうなと。そして、キャストのうち主役が扉座のベテラン・伴美奈子さんに変りました。今回、扉座主宰の横内謙介さんが今回の再演を「伴美奈子スペシャル」と称して、とにかく見て欲しいと事前にネットで力説していたのですが、伴さん確かに良かったです。
初演の主役は石田ひかりさんだったわけですが、石田さんはいかにも本来ありえない人がヤクザの女房になってしまった感を前面に出した感じのキャラクターでした。伴さんはキャラクターの味付けを変えてきて、20年の刑期の間に肝が据わったような感じ。とにかくかっこいいのです。方向性が違うのでどちらが良いという話ではないですが、細かな演出の違いもあって「モア・パッション モア・エモーション」というフレーズには合っていたような。伴さんの演技は扉座の公演や今年1月に客演した「ほおずきの家」とかで観ていますが、穏やかで品のある感じの役柄が多かったのです。今作のような強い役柄は新境地みたいな感じに見えましたが、とてもよくはまっていました。すごい役者さんです。
芝居そのものは再演ですから筋書きはわかって観ていましたが、扉座が(というか横内さんが)そのままやるわけがなく、時事ネタを織り込んでアップデートしていました。こういうのがあるから再演も楽しく観られますね。つかこうへい原作らしい荒唐無稽なストーリーにシリアスな物事の本質を問うようなことも織り交ぜで、笑いあり涙ありの熱量の高い芝居でした。
私が観た2日夜は千秋楽の前ということで終演後に恒例企画の「ラクイブナイト」つき。山中崇史さん責任進行の余興で、劇団員のクイズ大会などをやることが多いのですが、今回は主役の伴さんとのアフタートークショー。意外にも扉座でアフタートークは初めてなのだとか。伴さんは今作について「大変でした」と語っていましたが、そうでしょうねえ。山中さんからの73の質問に答えていくという企画では、けっこう考え込む質問も多く、誠実というかおっとりというか、芝居とは違う人柄を見ることができて面白かったです。ちょっと長かったですけれどね(微笑)
公演には扉座研究所の面々もアンサンブルで出演していましたが、年が明けて2月にはその研究所の卒業公演「リボンの騎士2024」があります。こちらも楽しみです。
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