かわいそうなぞう
きょう8月15日は終戦の日、敗戦忌でした。かつてはこの日に故・秋山ちえ子さんがTBSラジオの自身の番組で「かわいそうなぞう」の朗読をしていました。いまでもTBSラジオ「大沢悠里のゆうゆうワイド・土曜日版」で終戦の日に近い放送日で、録音された朗読が放送されています。今年は14日の放送で流れました。戦時下の上野動物園で実際にあった猛獣処分を題材にした絵本「かわいそうなぞう」の内容は多くの方がご存じかと思います。
この「かわいそうなぞう」についてたまたま、ネット上で内容を検証しているコラムに行き当たりました。
空襲はなかった。なぜぞうは殺されたのか
絵本『かわいそうなぞう』の真実 猛獣処分考(1)
(47NEWS編集部)
絵本では空襲が激しくなったのでぞうを殺すことになったとされていますが、上野動物園で猛獣処分が行われた1943年8~9月はまだ東京に本格的な空襲はなかったという史実との不一致があるところから、猛獣処分には別の理由があったと論考が進んでいきます。(ちなみにサイパン島が陥落したのが翌44年7月。ここを基地とした本格的な本土空襲は同年11月から)
そして、絵本が猛獣処分の指示者を明確にぜず責任の所在を不問にしていることや、動物園職員がぞうの命を選別しようとしていたことなどに話が及んでいきます。
ぜひ内容を読んでいただければと思いますが、戦争の惨禍を考えるときにはその始まりと意思決定の過程を抜きにするわけにはいかないと思った次第です。それに、猛獣処分の真の理由を知ると、昨年春の新型コロナ禍の初期に行われた学校一斉休校となんだか重なるところがあるようも思えてきます。戦争の惨禍を繰り返さないために、まだまだ考えることはたくさんありそうです。
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