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2020年12月30日 (水)

扉座公演「お伽の棺2020」を観る

 きのう12月29日は劇団扉座の公演「お伽の棺2020」の千秋楽を観てきました。この芝居の上演は28日1回、29日2回の計3回のみ。もともとは6月に予定されていた公演でしたが新型コロナ禍で中止になり、東京都の文化芸術支援プログラム「アートにエールを!」のステージ型の助成を得て復活したもの。で、助成の条件が上演を12月31日までに行うこととなっていたために、この歳末の時期の公演になったということです。ちなみに「アートにエールを!」には配信動画を制作する個人型もあって、私が推しているユニット「昭和とらいあんぐる」も参加しています(浅香唯さんのBelieve Againをカバー)。

 さて前置きはこのぐらいにして、「お伽の棺2020」の話。あらすじは扉座のサイトで確認できますので見ていただければと思いますが、私が今まで観てきた扉座の芝居の中でもっともシリアスな内容でした。嘘偽りを語らないことという掟のある村で、ひとつの嘘がまた次なる嘘を生むという展開。純朴な男は嘘をつき続けることに苦しみ、ついに知人に真実を話すも、それは村にとって都合が悪いと、さらなる嘘を強いられる。まるで今大きな問題となっている国会議員の虚偽答弁を彷彿とさせるかのよう。初演は94年なので今の政治を意識して書かれた作品ではありませんが、なんというタイミングでの上演かと思いました。そして、嘘偽りを語らないことという掟の理由がまたあっと驚く内容なんですね。上の目を盗んで不正を働くために正直さで信用を得ようという矛盾。主宰の横内謙介さんらしい、重層的な内容で、正直とは何か、嘘とは何かということを考えさせれた芝居でした。結局、嘘というのは何かを守るためにすること。その守る対象が何かが問題。。。

 シリアスな内容を一層引き立たせるのが演出と舞台の効果。演者はたった4人。蝋燭の光と尺八の生演奏の中で繰り広げられる濃密な芝居。効果音は演者みずからラジオドラマ用の器具で作り出していました。幽玄な世界という感じで、これも初体験でした。

 どーんと重かったけど、観て良かった作品でした。これにて今年の観劇納め。来年、音楽や演劇の公演を取り巻く環境が少しでも良くなることを願わずにはいられません。

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