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2020年10月21日 (水)

劇団扉座「リボンの騎士2020」を観る

 劇団扉座の公演「リボンの騎士2020~県立鷲尾高校演劇部奮戦記~ベテラン版withコロナトライアル」が今月10日から18日まで行われ、そのうちの2ステージを観てきました。なぜ2ステージかというと、チームAとチームBの公演があったので、やはり両方観ねばということで。

 やたら長いタイトルの公演名ですが、いろいろなことが込められています。「リボンの騎士」は2018年に扉座で上演され、2019年も若手のオーディションを主体とした座組で扉座Next Stage として上演されました。今年も2019年と同様の企画を立てていたところが新型コロナ禍となり、オーディションは断念して扉座劇団員でやることにした、とのこと。これによって「ベテラン版」と付記され、さらにこの新型コロナ禍の中でどうしたら芝居を上演できるかという試行錯誤が入ったことで「コロナトライアル」となっています。

 会場は、東京・すみだパークスタジオ倉。なんとこけら落とし公演です。主宰の横内謙介さんによると、そのことも公演を決断した要素であったそうです。

 直近で、さいたま市の劇団で感染者集団が発生した(ただし公演前)というニュースがあり感染防止対策は気になるところですが、劇団員は2度PCR検査を受けたとのこと。また稽古中はマスク着用だったそうです。観客向けには入口での検温と手指消毒、さらに消毒液を浸したマットで靴の裏も消毒、前から2列目までの客席はフェイスシールド着用必須。座席はガイドラインに従った離隔を確保、公演後のキャストとの面会と物販の中止など、やれることは全部やったという感じでした。

 ちょっと緊張感のある公演でしたが、芝居はとても良かったです。扉座のベテラン・中堅が入った座組で高校を舞台にした芝居をやるのですから、まあ実年齢と役年齢がだいぶ離れる人も多いのです。でもね、若々しく生き生きとした芝居で、みなさんそれなりに見えちゃうんですよ、不思議に。中にはあえて笑いを取る設定の人もいましたけど(微笑)。そして生の舞台の熱量。ああ皆さん芝居がしたかったんだなあというのが伝わってくるようでした。今回センターを張ったのが個人的に芸達者で注目していた若手の北村由海さんで、不器用すぎる演劇部員を好演していて目を細めました。今後がますます楽しみ。

 演出は感染症対策を取り入れた形に変えられているところがいくつかありました。例えば、教室のように椅子を縦横に並べるような場面が、円陣のように椅子を並べる形に変わっていたり、生徒会総会のシーンがWebによるリモート開催になっていたり、飛沫防止のビニール幕を張っての演説シーンとか。密を避けたり飛沫防止をとったりという実用的な対策をうまくネタに取り込んで笑いも取るなんて、さすが世相や時事を取り込むのが上手い扉座だなと思ったりしました。さらには途中休憩を入れて換気タイムを兼ねたり、バックステージの搬入口を開ける演出があったりと「コロナトライアル」は随所にありました。

 この状況のなかで、最大限の対策をしつつこれだけのクオリティの芝居を、しかもコロナ前と同じ料金で上演した扉座に大拍手を送ります。このクオリティなら値上げしても良かったんじゃないかと思うんですよ。客席数が減っているのですから。実は、9月の尾崎亜美さんのコンサートは、東京と京都の公演は大幅に値上げされてたんですよね(^^; 千葉公演は振替公演だったので値段据え置きでしたが。。。

 劇団はいま苦しい状況下にありますが、やはり生の舞台はいいものです。気兼ねなく芝居が上演できる状況が早く訪れるよう祈るばかりです。

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