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2020年8月23日 (日)

プロパガンダ放送

 8月15日に文化放送で放送された特別番組「封印された真実~軍属ラジオ」を録音しておいたものを聴きました。戦争中を中心としたプロパガンダ放送とその妨害放送についての特集でした。

 日本は先の大戦中、日本放送協会が短波による海外向け放送「ラジオトウキョウ」でプロパガンダ放送を行っており、特に米艦隊向けには「ゼロ・アワー」などの番組を出していて、米兵に人気だったとか。これはジャズなどを流して厭戦気分にさせようという意図だったそうですが、面白いのは米軍は聴取禁止などの措置を取らなかったというのですね。自信があるからでしょうか。

 これに対して米側は最初は短波で、のちにサイパン島から中波で「VOA」(ボイス・オブ・アメリカ)によるプロパガンダ放送を開始。日本側は短波に関してはもともと短波受信機の所持と聴取を禁止していたので問題視しなかったようですが、中波に対しては「防圧放送」なる妨害電波を出して国民に聞かれないようにしたと。で、その防圧放送用の施設の一つが、いまの文化放送川口送信所にあったということで、発掘調査もされていたというのは知りませんでした。文化放送の川口送信所はもともと日本放送協会の新郷放送所だったところで、それが川口放送所へ移転したあとに作られたということです。このように政府は国民に聴かせない対策をしたものの、郊外など場所によっては聞こえる場合もあったり、また禁止されていた短波受信についても一部のエリート層などひそかに受信していた人もいたと。本当かなと思うのですが、米側の戦況発表に連動して東京の株式取引所の値が動いたそうです。

 VOAとは別に「日本人有志が国難打開のため日本放送協会に対抗して開局した」という体を偽装した「新国民放送」というプロパガンダ放送があったというのも知りませんでした。日系人を動員して放送したそうです。

 防圧放送はBCLを趣味にしている方ならジャミングという言葉でご存じのことと思います。日本ではなくなりましたが、戦後も冷戦や国の対立で他国ではよく行われていました。特に中国、韓国、北朝鮮のものは日本にも到来し、日本海沿岸で国内のラジオ放送に妨害を与え困った存在でした。

 ひとくちにプロパガンダ放送といっても、本当のことを伝えるものもあれば虚構を伝えるものもあり、それだけで善悪とは決めつけられないという解説が印象的でした。もしかしたら普段のラジオも...とも。リスナーの聴き方が問われるということでしょうか。

 もうradikoのタイムフリーの期間も過ぎてしまいましたが、文化放送のホームページで雰囲気を知ることできます。

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