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2018年11月13日 (火)

扉座公演「無謀漫遊記」を観る

 先週末の11月10日は、劇団扉座の公演「無謀漫遊記-助さん角さんの俺たちに明日はない-」の東京公演を観てきました。扉座の東京公演は座・高円寺であることが多いのですが、今回ははつか芝居の聖地とされる新宿の紀伊國屋ホール。劇場で配られたリーフレットに書かれた主宰・横内謙介さんの口上によれば「つか魂、つか様式を継承しつつも私にしか書けない今のドラマを真剣勝負で書き切りたい」と思って書き下ろした作品なのだそうです。そして、横内さんの劇作家40周年記念作品とも銘打たれています。つか芝居を直接観ていない私にはその辺の思い入れはないのですが、扉座版のつか芝居はいくつか観ていてとても面白かったので、期待は高まります。

 タイトルからわかるとおり、所謂テレビドラマ「水戸黄門」を題材にとった作品ですが、もちろんテレビのようなお行儀の良い水戸黄門であるはずもなく(爆)、ハチャメチャ、やりたい放題(褒め言葉です)の設定と筋書きに前半笑い通し。時代設定は江戸のようでいて現代でもあるというハイブリッドな芝居はいかにもつか芝居な感じです(あくまで扉座を通してしか知りませんが) 私が過去に観た扉座の芝居のなかでは「つか版忠臣蔵」のテイストに近いように感じました。
 で、抱腹絶倒で終わるかというと扉座(横内さん)はそんなことはなく、後半に泣ける筋書きが入ってきます。身分や居住地での差別や、それ故の苦労・苦悩などが段々明かされています。最後は水戸黄門ご一行が出てきて締めるのですが、ちょっと意外な締め方で、ハッピーとえばハッピーなのかもしれないけど・・・という。

 つまり、テレビの水戸黄門ば「勧善懲悪」ですが、この芝居では善と悪が単純に分かれていないのです。
主な登場グループは、地元で長年治水工事を手がけてきた業者、余所を拠点として全国展開する大手の土地開発業者、そして代官。大手の開発業者が治水工事参入を狙って代官に接近・・となればテレビ的には開発業者と代官が悪で、地元業者が善になりますね。しかし開発業者はパーティを開いて代官と接近はするものの、賄賂を渡すでもなく「入札」を提案するだけ。一般論では随意契約より入札のほうが良いシステムですから、真っ黒とも言えない。一方、地元業者は差別故のハンデを背負っているので情として肩入れしたくなりますが、親方のパワハラ・セクハラがひどいと(笑)。さてどうするか、というところがハラハラしたり面白かったり。

 今回はテレビジョンでもおなじみの六角精児さんが2年ぶりに扉座公演に出演し、助さん役で大暴れ。良いこと言いつつもちょい悪な感じが最高、その存在感は流石としか言いようがありません。普段は殺陣指導のスタッフの西村陽一さんが代官付きの堅物の侍を演じてましたが好演でした。今回は中堅が少なくベテランと若手メインの座組でしたが、若手も伸びてきていて良い芝居でした。おすすめしたいのですがすでに11日で千秋楽。。。

 終演後は「ラクイブナイト」というイベントがあったのですが、すでに文章の分量が多いのでまた改めて。

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