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2018年5月15日 (火)

「京都らしさ」とは

 京都市左京区の京都大学吉田キャンパス名物だった学生たちが設置していた立て看板(通称・タテカン)を、大学当局が強制撤去したことが話題になっています。京都新聞などの報道によれば、タテカンが屋外広告物条例に違反しているとして以前から京都市より是正を指導されていたとのこと。大学当局が道路に面した場所への設置を禁止する新ルールを適用して撤去に及んだとのこと。

 そして、タテカン撤去後に大学当局がこんな看板を出しているという写真がツイッターで出回っています。
https://twitter.com/koyama_univ/status/995135590776655875

 タテカンを撤去したあとにタテカンでそのことを自画自賛しているというのもなんとも皮肉ですが、気になるのは“「京都らしい」美しい京大を実現しました”という一文です。ここでいう「京都らしい」とはどういったことを指すのでしょうか。。。私はよそ者ですが、京都は一つの「らしさ」に固定できるような街ではないと思っています。
 例えば食べ物。パブリックイメージは京料理、京懐石、おばんざい、そしてそれらから来る「うす味」でしょうか。ところが京都では天下一品に代表されるようなこってり味のラーメン店がいくつもあって繁盛しています。餃子の王将も京都が本拠地。決してうす味だけを好んでいるのではありません。
 伝統というイメージはどうでしょう。祇園祭・山鉾巡行が今でも女人禁制を徹底しているなど保守的なところは徹底的に保守的ですが、その山鉾巡行に外国人が参加してたりします。国産初のレントゲン撮影機を完成させた島津製作所は京都で創業するなど、進取の面もあります。政治に目を向ければ自民党も強いが共産党も強い。
 そして、今回問題となっている「景観」はどうでしょう。寺社が並んだり町家が並んだりというのがイメージかもしれませんが、三条通のように明治以降に建てられた洋館も人気が高いです。そして市中心部の大部分は普通にビル・マンションが建ち並ぶ近代都市の姿になってます。高層建築は流石に少ないですが、京都駅ビルのような無駄に巨大な建築もあります。私に言わせればあんなもの景観破壊そのものだと思いますが、それでも賛否の議論が巻き起こったものの法的には問題視されず存在できています。

 このように京都という街は多面性があります。そういうことを踏まえれば、京大のタテカンも「京都らしさ」の一つと認めていいのではないか、と私は思います。もちろん法治国家として条例に基づいた指導に従うことに合理性はありますが、そもそも条例が市内全域を一律に規制しているのがどうかと。京都駅ビルや京都ホテルの高層化ができたぐらいですから、運用にメリハリがあっても良いのではと思います。

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コメント

「京都らしさ」
良い悪いは別にして、京都の方は根底に「京都が都で東京には首都を貸してやってるだけ」的な考えでいろいろ多面性があるんだと思います。タテカンについては大学側が京都では無く、古都「らしさ」を逆手に取って、事なかれ主義的に行政に屈伏したのではないかと思います。タテカン面白かったんですけどね。

さて、御存じの通り本日訃報がありました。兄、西城秀樹さんが亡くなりました。
御病気されて、障害が残っても舞台に立ち、同じ境遇の方を勇気付けて下さいました。そして我々健常者も感動させいただきました。
ありがとうございました。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。


投稿: 奈保子さんも亜美さんもFANです。 | 2018年5月17日 (木) 13:25

■奈保子さんも亜美さんもFANです。さん
いらっしゃいませ。
古老のなかには「天皇さんは東京に出かけてるだけで今も首都は京都」という人が居るとか居ないとか。。(実際、当時の新政府は江戸へ出かけるだけと言ってはぐらかしてるわけですが)
私は京都の多面性は千年もの間、都だったからなのかなと思っています。首都にはあらゆるものが集まりますものね。今の東京がそうであるように。
行政には行政の理屈があるのでしょうが、大学当局もうまく折り合いをつけるような営みをした気配が感じられないのが淋しいところです。

投稿: MARU | 2018年5月18日 (金) 22:51

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