戦争とラジオ
きょう8月15日は、いわゆる終戦の日でした。
71年前、終戦の詔書はすでに8月14日付けで作成され、あとは報道発表=玉音放送=を待つばかりとなっていましたが、継戦を訴える一部軍人がクーデター(宮城事件)を起こした日でもあります。
反乱兵は未明に宮城(皇居)を占拠して玉音盤を奪おうと宮内省を捜索する一方、内幸町の放送会館を占拠して5時の放送開始時に自分たちの主張を放送させようとします。このとき、放送会館では館野守男放送員(アナウンサー。当時は敵性語として使えなかった)が拳銃を突きつけられて放送を強要されたものの、ちょうど東部軍から防空情報が出ていたことを理由に「東部軍の許可が無ければ放送できない」と繰り返し、要求をかわしたと言われます。反乱兵は東部軍へ放送させて欲しいと懇願するも東部軍はこれを認めず、逆に説得されて放送会館を退去します。館野放送員の機転と命がけの抵抗がなければ、その後の歴史は変わっていたかもしれません。開戦後の放送協会は事実上、軍の統制下に置かれ、報道内容も含めて自由な放送はできなかったわけですが、それを逆手にとった形で反乱兵の放送を阻止したというのは放送協会・反乱兵双方にとって皮肉なものと言えるような気がします。
ラジオは先の大戦中、戦意高揚の先棒を担いでいましたが、最後の最後で混乱を終わらせたのもまたラジオでした。いずれにせよ、こんな時代には戻りたくないものです。
8月15日と言えば、昨年まではTBSラジオで故・秋山ちえ子さんが毎年「かわいそうなぞう」をラジオで朗読するのがおなじみでした。元々は自身の番組「秋山ちえ子の談話室」で朗読していて、番組終了後は「大沢悠里のゆうゆうワイド」に出演して朗読していました。今春に秋山さんが亡くなり、ゆうゆうワイドも終了してしまいましたが、今年は同じTBSラジオ「今晩は吉永小百合です」の14日夜の放送で、吉永さんが秋山さんの志を受け継ぐ形で「かわいそうなぞう」を朗読していました。静かながら秘めた感情を込めたような朗読でした。これから毎年続けていくのか注目されるところです。
ラジオで平和に思いをはせる、71年目の夏です。
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