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2015年10月20日 (火)

「名曲発掘!ジュエル・バラッズ」発売から10年

 T2U音楽研究所の臼井孝さんが企画したコンピ盤「名曲発掘!ジュエル・バラッズ」の発売から10月19日でちょうど10年になりました。発売当時、私は強力に推していて、応援サイトを作り、ネット上のあちこちで触れて回ったものでした。ヒットチャートの上位曲ではないけれど、ファンの間では名曲として聴き継がれている曲を集めたこのコンピ盤について、私は当時「「コンピレーションのありようを問う衝撃の問題作」というキャッチコピーを勝手に作ったのですが、そのぐらい他に似ているものがないコンピ盤でした。店頭在庫してくれるショップも少なかったのですが、ネットでは高評価だったのは、企画者ではありませんが嬉しかったですね。

 このコンピ盤には多くの思い出があります。
 発売当時は特に公言していなかったのですが、このCDのブックレットに記載されたSpecial Thanksに私も名を連ねています。実は、臼井さんとは当時すでに河合奈保子ファンつながりのメル友だった関係で、ちょこっとお手伝いのようなこともしていたのでした。

 2005年3月、臼井さんから「尾崎亜美さんの『蒼夜曲』を初めて聴いたけどとても気に入った」というようなメールを何かのついでに頂いたのが事の発端です。蒼夜曲には複数のバージョンがあるので、どれを聴いたのか気になってやりとりを続けると、シングルバージョンであることが分かったのでした。私からはその他のバージョンとファンの人気度、そしてシングルバージョンは入手困難であることなどを情報提供しましたが、臼井さんは他のバージョンと比較した上でシングルバージョンの歌謡曲としての完成度の高さをとても気に入ってくださって、ポニーキャニオンへ提案する新しいコンピ盤にぜひ収録したいということになったのです。誤解があるといけないので念のためですが、決して私がゴリ押ししたわけではありません。

 めでたく企画が通って制作が進んだ頃、意外な相談が臼井さんからありました。「ポニキャンが『蒼夜曲』のタイトル表記はカタカナの『セレナーデ』で良いですよねと言ってきたけどどう思う?」というのです。ポニキャンの楽曲管理上では「セレナーデ」と登録されているというのが理由だったそうですが、私は「カタカナ書きなんてありえない。シングル盤では『蒼夜曲セレナーデ』と表記していたし、どのバージョンでも漢字カナ併記ではあってもカタカナオンリーで発売されたことはない」とシングルレコードとそのジャケットのコピーも添えて意見を送りました。臼井さんのその後の折衝で本来の漢字カナ併記で記載されることになりほっとしたものです。ちなみに、実際に発売されたCDを見ると『蒼夜曲セレナーデ』のセレナーデは漢字より文字が小さめになっています。これはシングルレコードの表記に倣ったもので、そういう細かいところまで作り込んでくれてたのがまた嬉しかったですね。

 そのほかにも、谷山浩子さんの『カントリーガール』の収録バージョンについて意見を聞かれたりしましたが、これは一般リスナーの感覚を知りたいということだったのではと思います。

 まあ、私としてはたいしたことをしたつもりはなくて、大好きな『蒼夜曲』のシングルバージョンが収録されるならとメル友の延長でデータの提供をしたり意見を送ったりしただけですが、発売日に届いたCDを手にとってSpecial Thanksのクレジットを見てビックリしたという次第です。後に、このCDには尾崎亜美さんにサインを入れていただきましたので私の宝物です。あ、サインがなくてもこのCDは宝物ですね。

 もう製造中止になってから6年ほど経ちますが、amazonの中古出品は発売当時の倍近くの価格がつけられていますから、時を経ても良いコンピ盤であるという評価なのだと思います。そんなCDにちょこっと関われたというのは幸せです。すべては偶然の重なりなのですが。

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コメント

「ジュエル・バラッズ」から10年ですか…。早いものですね。

その前年に出た「Eternal Ballads」では、好きなアーティストばかりだったこともあり、そのコンピ盤に勝手にエッセイ(駄文)を寄せるという「暴挙」にでまして…。まったく若気の至りです。

どういうわけか臼井さんに気に入っていただき、MARUさんと並んで「ジュエル・バラッズ」の Special Thanks にクレジットされたのを知って、驚くやら嬉しいやらこっ恥ずかしいやら(笑)

今日のJ-POPは売上・人気とも偏りが酷く、なかなか「誰もが知っている名曲」が生まれにくいのですが、八神純子さんや中島みゆきさんなど、いまでもにパワフルなライブしている方も大勢います。埋もれた「名曲」を「発掘」する試みは、10年たった現在こそ必要ではないでしょうか。

そこに奈保子さんが入ることを夢見つつ。

投稿: ひらりん | 2015年10月21日 (水) 01:07

■ひらりんさん
いらっしゃいませ。
そうなんですよね。いつのまにか10年経ってしまいました。
ひらりんさんのエタバラのエッセイは絶品でしたね。私にはあんな文章とても書けません(^^;
10年たって音楽シーンも随分変わりました。音楽チャートの上位を賑わす曲は「曲そのもの」よりも売り方・仕掛けのアイデア勝負みたいな傾向が顕著になってしまい、良い曲がますますチャートに埋もれてしまうように思いますので、おっしゃるように名曲発掘は今も意義あることだと思います。コンピの売上が当時ほど伸びないなかで、勇気ある行為になるわけですが。。。

投稿: MARU | 2015年10月22日 (木) 00:41

MARUさん、その節は大変お世話になりました!(ひらりんさんも有難うございます!)

「蒼夜曲」の件、頂戴した意見をそのままガキの使いのように届けるのではなく、先方に伝えるタイミングや言い方を考えるなど私なりに努力もしたのですが、今では恩も苦労も忘れてしまってました(苦笑)。申し訳ありません~。

そう言えば、本田美奈子.さんが天に召されてから急激に売れましたが、実際はその前からAmazonで100位前後になっては欠品の繰り返しだったのを思い出しました。新聞社やネットのニュース担当とコネのある今ならば、「点」のヒット現象を「線」に出来たかもしれませんが、それもタラレバの話ですし、この学びがあったからこそ、今があるのだと感謝しています。

そして『名曲発掘』の役割は、コンピCDからYouTubeとサブスクリプションにバトンタッチしていますし、もうこんなCDは私には出せないですね~。今の私は、もう少しライトなリスナーの方が音楽に触れるキッカケの部分を任されており、これはこれでやり甲斐を感じています。その一方で、いつか、愛のあるプレイリスターとして、信頼されるように今後も精進したいなと思います!

投稿: T2U音楽研究所/臼井孝 | 2015年10月22日 (木) 01:15

■臼井さん
いらっしゃいませ。こちらこそ、その節は素人の意見にお付き合い頂きありがとうございました。
蒼夜曲の表記問題については、私の尖った意見をそのまま出さずに「管理上の表記はそれとして、今回はシングルバージョンでの収録がポイントなので曲名表記もシングル盤のものを再現したほうがファンに喜んでもらえるのではないでしょうか」みたいな柔らかいアプローチで理解を得たというようなお話だったと思います(^^)

テスト版を頂いて通しで聴いたときの驚きでさらに入れ込んだジュエバラですが、あのわくわく感は本当に得がたいものでした。時代が変わってアプローチは変わっても聞き手をわくわくさせるような音楽の仕事、期待しております!

投稿: MARU | 2015年10月22日 (木) 22:51

もう10年になるんですね。なんといっても「つばさ」のインパクトが大きかったですが、できれば生歌で聞いておきたかった。
そんな美奈子さんも追悼10年目(いや、デビュー30周年というべきか)の企画盤がいくつか出ますね。

まあ、小生は岩崎シスターズが収録というところで買いなんですが(汗)。
そんな宏美&良美の共演で13曲をお送りする、新BS日本のうた、お見逃しなら本日お昼から再放送です。
http://www4.nhk.or.jp/uta/x/2015-10-18/10/17380/2510582/

投稿: ギムリン | 2015年10月24日 (土) 11:34

■ギムリンさん
いらっしゃいませ。
私も「つばさ」には大変驚きました。これを聴いて、復帰したら絶対ライブに行こうと心に決めた矢先の訃報に、しばらく何も手が付かぬほどショックを受けました。

ご案内いただいた岩崎姉妹プロモーション、再放送直前の告知でしっかり見逃しです(微笑)
でも再々放送が10月30日(金)16:30からありますね。

投稿: MARU | 2015年10月25日 (日) 01:02

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