扉座公演「アトムへの伝言」
昨7月6日夜は東京・新宿の紀伊国屋ホールで、扉座公演「アトムへの伝言」を観てきました。
紀伊国屋書店本店は何度も行ったことがありますが、ホールは初めて。あの細いビルに入っているので舞台も客席もこじんまりとしていますが、古いつくりながら座席の前後の間隔は広めでゆったりできるのはありがたいですね。
「アトムへの伝言」は2008年が初演で今回が3回目だそうですが、音楽劇「オリビアを聴きながら」から扉座を観るようになった私は初見です。
いやー、笑った笑った。
とある研究所がヒューマノイド(人造人間)を開発するのですが、それがなんとお笑いを演じるヒューマノイド。ところが日頃お笑いの世界とは無縁で開発に没頭している研究員たちが作ったヒューマノイドは笑いがいまいち。そこで、真のお笑いヒューマノイドにするために往年の大人気コメディアンに教えを請おうとするが、いきがかりでヒューマノイドをコメディアンに弟子入りさせることに。。。
ま、こんな感じで、これだけだと奇想天外な抱腹絶倒もの、ということになるのですが、ただ笑うだけでは済まないのが扉座の公演。芝居の途中で、研究所がお笑いヒューマノイドを作ろうとした理由が明らかになるのですが、それは科学の発展とは?科学者の倫理とは?ということを問いかけています。例えて言うなら旧日本軍で戦闘機の開発をしていた技術者が戦後、国鉄に転じて高速鉄道すなわち新幹線の開発をした(←これは事実)ようなものでしょうか。ラストシーンがちょっと切なかったな。
終演後は、この日だけのイベント「ラクイブナイト」。楽日の前夜だからラクイブですね。
主演格の山中崇史さんの進行により、出演者総出で直前の東北巡業をトークとクイズで振り返ったのですが、劇団員の素顔があれこれ垣間見えるエピソードがこれまた面白かったです。最後に出演者と客席全体の記念撮影をしてお終い。その写真は劇団の筆頭格、岡森諦さんのブログに掲載されてます。私もちらっと写ってますが、まあ分からないでしょう(微笑)
そして打ち出し後は、ロビーに劇団員さんがラフな格好で出てきて、おなじみさんなんかと会話したりサインに応じたり。この光景がいいんですよねー。主宰の横内さんにも軽くご挨拶。
「オリビア~」再演以降、扉座本公演を見続けているのですが、どれも面白くて外れなし。次は10月、ミュージカルをやるそうです。「オリビア~」ではないのですが、その時の出演者だった柳瀬大輔さんが客演とのことで、どんな感じになるのか楽しみです。
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