熱狂の日2013備忘録(3)
2013年のラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン「熱狂の日」音楽祭に佐渡裕さんがサプライズ出演したことは以前触れましたが、改めて。
5月4日の公演No.215。このプログラムはラヴェルの特集で「亡き王女のためのパヴァーヌ」「ピアノ協奏曲ト長調」「ラ・ヴァルス」の3曲が予定演目。ピアノ協奏曲は小山実稚恵さんで、拍手喝采でした。
で、予定の3曲が終り、客席からは長い拍手。オーケストラがラムルー管弦楽団だったので「何かやってくれないかな」と期待しつつ拍手していると、新たに楽器が運び込まれたりしてきたので、これはアンコールがあるなと。そして音楽祭の監督ルネ・マルタンさんが登場。何事かと思っていると通訳を介して説明が始まります。「まずラムルー管弦楽団の指揮者カルイさんを紹介します」「そしてこの楽団は日本とつながりがあります」「2年前まで、佐渡裕さんが指揮者でした。ナントのラ・フォル・ジュルネでも演奏いただいたことがあります」「日本とフランスの友好の印として」・・・ここまで通訳を介していましたが、その後のフランス語の説明のなかにYUTAKA・SADOの名前を認めると場内「ウォー」といった感じのうなりと大拍手。場内が盛り上がってしまってもう通訳の出る幕がなくなってしまい、通訳されることなくルネさん説明終了(笑)
そして白の詰襟姿で佐渡さん登場!現指揮者のカルイさんと抱き合ってから指揮台へ。佐渡さんが里帰りの形でラムルー管を振り、ボレロの演奏が始まったのでした。ボレロはスネアドラムがキッチリしたリズムを刻み続ける楽曲のためか、佐渡さんの指揮は必要最小限。後半に演奏楽器が増えてくると熱い指揮になってきました。
演奏が終了して客席大拍手。佐渡さんは楽団員とも抱き合ったりしていましたね。ホールAには大型ビジョンが設置されていたのですが、そこには涙ぐむ楽団員の姿も映し出されていました。長く首席指揮を務めていた佐渡さんとの関係がわかる一幕でした。公式ブログによると、佐渡さんの登場は楽団員にも伏せられていたそうで。。。そうした演出を仕組むルネさんに脱帽。
そして、このサプライズで新たな発見がありました。それは「指揮者が違うと音が違う」ということ。ラムルー管弦楽団のボレロは公演No.316(ファイナルコンサート)でも聴きました。それは現指揮者のカルイさんが振ったのですが、同じ楽団でありながら佐渡さんが振ったときとは明らかに音が違うことが素人の私にもわかったのです。具体的には、カルイさんの指揮では後半でヴァイオリンが弾くBメロが、小さい音はより小さく、大きなところは大きくと、メリハリの強い(ダイナミックレンジが広い)演奏だったのですね。楽団は曲の練習を重ねているのだから、指揮者の役割はキュー出しとテンポの統制ぐらいで、あとは楽団が練習どおりに弾いてくれるものだと思っていましたが、いやー違いました。
というわけで素人・初心者でも楽しめるラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン。来年も楽しみです。
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