技研公開2010
東京・砧のNHK放送技術研究所の恒例行事である「技研公開」へ行ってみました。過去にも行ったことがありますが、普段は入れない施設内を公開して最先端の技術や研究成果を発表する場ということで、なかなか興味深いものです。入場も無料だし(^^; 土曜日ということで、館内は大賑わい。
展示で目立ったのが放送と通信の融合でしたね。放送中の番組にツイッターのような感じで視聴者からコメントを入れてもらい、それを即座に集計してどのような感じで見られているのかをグラフ表示する、なんてことも考えてるみたいです。技術的に面白いと思いますが、ソフト(運営面)は大丈夫なのかなあ・・・たとえば「炎上」したときどうするんだろう、とか。
面白いところでは、視聴者の考えていることを汲み取って、おすすめの番組を示したりするユーザインタフェースの提案なんてのがありました。自分であれこれ操作せずにテレビのほうが気を利かせて色々やってくれるというのですが、そこまでテレビ任せでいいのかなんて思ったり(笑)
あとはスーパーハイビジョン。専用シアターで見ましたがこれは本当に綺麗。音響も22.1chというとてつもないもので大迫力でしたが、家庭用じゃないですね(笑)。映像といえばいま3Dが何かと話題ですが、インテグラル立体テレビというのもデモがありました。裸眼で立体映像が見えるテレビですが、まだまだ画素が荒いし立体感がもう一つだったような・・・自然な立体感ではあるのですが。
以前見たぺらぺらの紙のような有機ELディスプレイは、随分と画質が向上しているように見えました。でも薄暗いところでデモをしていたので明るさがまだまだなのかもしれません。
地味な研究も発表されてましたが、会話を自動翻訳してCGの手話にするとか、会話に自動で生字幕をつけるなんて技術はバリアフリーのためにも大いにやって欲しいと思います。
なんてずっと文章で綴ってますが、何しろ基本的に撮影禁止なので(^^;
でも写真がないと淋しいので、撮影の問題のない過去の技術を・・・放送博物館が出張展示してました。
最初に実用化された撮像管であるアイコノスコープと、それを利用した戦前製のアイコノスコープカメラ。感度が悪いため強い照明が必要で、スタジオが灼熱地獄になった、なんて逸話が残ってます。
次に実用化された撮像管であるイメージオルシコンと、それを利用したTKO3型カメラ。放送開始時にはこれが使われたようです。まだズームレンズがなく、倍率切り替えは顕微鏡のようにレンズを切り替えます。
ちょうど昼時だったので7Fの職員食堂へ。ここも「公開」されてます(笑)。ランチ500円はいわゆる社食としては平均的でしょうか。
今年は技研が誕生して80年ということで、記念行事的に何かシンボルになるような打ち出しがあるのかなと思っていたら、案外淡々とした展示でした。まあ研究は地道に、ということでしょうかね。
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