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2010年5月 9日 (日)

熱狂の日2010備忘録

 さて、今年のラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン「熱狂の日音楽祭」も盛況のうちに終わりました。
 私が今年いろいろ聴いたり見たりしたなかで特に印象深かったのは、2日目のCホール「No.242」公演でした。
 この公演はオーケストラとしてシンフォニア・ヴァルソヴィア、ソリストとして小菅優さん(pf)、竹澤恭子さん(vl)の出演が予定されていたのですが、Cホールの改札脇には「小菅優さんが体調不良のため出演できなくなりました。このため演目を変更します・・・」という掲示が。。。あらら~、そんなこともあるのかと思いつつとにかく場内へ。この公演で小菅さんはメンデルスゾーンを弾くことになっていて、これを楽しみにしていたお客さんも多く、場内は微妙・・・というか少々重い雰囲気。ステージにピアノがセッティングされていないところをみると代演もなさそう。。。
 さらに、開演予定の11時15分を過ぎても前ベルが鳴らず、場内は「一体どうなっているのか」という雰囲気。15分過ぎた頃にようやく場内アナウンスが入ったものの「開演が遅れていますが、今しばらくお待ちください」という説明になってない内容(苦笑)。
 いい加減いらいらしだしたころにステージに登場したのは、演奏者ではなくこの音楽祭のディレクターであるルネ・マルタンさん。通訳を伴って事情説明を始めたのでした。
 「大変残念なお知らせがあります。小菅優さんが急に体調を崩し入院しました。このため小菅さんのメンデルスゾーンの演奏は出来なくなりました。」
 入院の発表に場内どよめきます。
 「しかし、この音楽祭には素晴らしいピアニストがたくさん集まっています」
 お、これは代演があるのか?
 マルタンさんはフランス語でアナウンスしているので通訳が話し出さないと内容が分からないのですが、しかしマルタンさんの説明の中に「・・・・・・MAKOTO OZONE・・・・」の言葉が聞えた途端、場内歓声と拍手が!
 メンデルスゾーンは別の曲に差し替え、竹澤さんのモーツァルトは予定どおり、そのあと、小曽根さんに何曲か即興演奏してもらうのでどうぞご理解ください、そして一緒に小菅さんの回復を祈りましょう。そういう説明でした。

 いやあ、まさかこんな形で小曽根さんの演奏が聞けると思わなかったので、それはそれで嬉しいサプライズでした。多くのお客さんも同じ思いだったのではないでしょうか。
 演奏開始が遅れたのも、きっとマルタンさんがそういう出演調整をされていたのだと思えば納得です。とにかくこれで場内が一気に和んで演奏開始。
 シンフォニア・ヴァルソヴィアは急遽の曲目変更にもかかわらず素晴らしい演奏でしたし、竹澤さんのバイオリン協奏曲も良かったです。
 そして最後の小曽根さん。いかにも急遽駆けつけましたというような軽装で、マイクを手に登場。
 「もう事情は聞いてるんですかね、何曲か演奏してくれと言われたので・・・」
 「業務連絡です。このあとAホールの公演聴かれる方はいます?・・・時間が気になってると思いますが、どうぞ気にせず出ていただいて結構です。これらはアンコールということで気楽にやりますから。」
 そんなMCのあと、子犬のワルツなど即興演奏を2曲披露。場内大拍手でした。

 小菅さんを聞けなかったのは残念という思いはゼロではないにせよ、なんかね、もういかにも「熱狂の日」的な展開に、あらためてこの音楽祭の魅力を感じてしまいました。お客さんに喜んでもらうためぎりぎりまで調整をしてくれたマルタンさん、突然の代役依頼を受けてくれた小曽根さん、そしてその小曽根さんの細やかな気遣いに感動してしまいました。

 で、話しはここで終わるつもりだったのですが、な、なんと、公式ブログの記事によると、入院したはずの小菅さんが何と午後の公演には復帰して演奏をしたというのです。(→こちら
 これはこれでまた驚きです。これもこの音楽祭の「チカラ」なのでしょうか。

 また来年も楽しい音楽祭になることを期待します。

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