"NAOKO LIVE PREMIUM"から「LIVE」を聴く
2月18日に発売された河合奈保子さんのライブアルバムBOX「NAOKO LIVE PREMIUM」。入手してから諸々あって聴けずにいましたが、ようやく聴ける体制に。まずは、お客様からの進言もあり、初コンサートの実況盤である「LIVE」の封を切り聴きました。
紙ジャケを開封すると、中からはLPのオリジナルを縮小した歌詞カード(2つ折)と、その中面を両面焼きにした2倍寸の歌詞カード(4つ折)が出てきました。一昨年のオリジナルアルバムBOX「NAOKO PREMIUM」も紙ジャケ仕様でしたが、歌詞カードは今回の2倍寸のもの1種類が折りたたんで収納されていました。写真の大きさだけ捉えれば「NAOKO PREMIUM」のほうが有利ですが、写真が折り目に掛かってしまいました。今回の方法は、オリジナルの雰囲気の尊重と歌詞の読みやすさを両立させた形になっていますが、クレジットとか読みにくくなってしまうのでどちらがいいかというと一概には・・・。
さて「LIVE」を聴いてみて。
私はLPを入手して聴いているのですが、これがCDで聴けるというのがまず嬉しい。レコードの音質が特に悪いとは思わないのですが、取扱が圧倒的に楽なのと無音時の針ノイズが気にならないのが良いですよね。
そして6月のデビューから4ヶ月での初コンサートとは思えない歌唱の安定感は、あらためてすごいと思いました。持ち歌が少ないのでカンツォーネやシャンソンなど外国曲(訳詩)や、フォークも織り交ぜて歌っているのですが、どれもきちっと歌いきってます。唯一、オープニングの「愛の花咲くとき」で、サビの入口でテンポの遅くなる部分(あーいーのー)がバンドと合ってないところぐらいかなあ、気づいたのは。
この部分については、後年の自著エッセイ「わたぼうし翔んだ」で『バンドと合わせることだけに集中したはずなのに出来なかった』と悔やんでます。また、当時の歌唱について『感情がこもってない』とも振り返っているのですね。奈保子さんのデビュー当時からのプロ意識の高さは驚くばかりです。でも、十分すぎるほどの及第点だと思いますけどねー。
堂々とした歌いっぷりに比べると、MCはいかにも初々しいというか硬いというか・・・そこはそれ、微笑ましさを感じます。
さて今回の復刻では、カセットテープのみ収録された音源が追加収録されています。「LIVE」では音楽劇「パパとふたりだけにして」が入っています。私は初めて聴く音源でしたが・・・いやあ、重いわこれ。喘息で早世した娘と父の手紙を軸にした歌と朗読で構成されているのですが、奈保子さんの朗読を聴くと泣きそうになります。奈保子さんはデビューからずっと歌で勝負していて、演技のほうは後年になってからというイメージなのですが、こうして初期のころから「声の演技」をしていたというのが発見でした。それにしても、初コンサートでこのような重いテーマを選んだというのは驚き。それをまたやりこなした奈保子さんにも驚き。
ということでまずは1枚聴きました。やはりこれは時系列で順番に追いかけていくのが良いようですね。時間をつくって順次聴いていきたいと思います。
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コメント
私も、あの音楽劇というか朗読は、明るい奈保子さんのイメージにしては重いと感じました。ただ、'80年は、まだニューミュージック&演歌勢も強く、後から考えると、聖子ちゃんブームのスタートだからと言って、アイドル一色に塗りつぶされたわけでもありませんでした。
たとえば、奈保子さんの1年前、'79年の岩崎宏美さんのコンサートでは、さだまさしさんの「療養所(サナトリウム)」という曲を歌っていますが、これまた結構重い歌でした。
さらに遡れば、'75年の宏美さん16才最後の月に行われた1stコンサートでも、「サトウハチローを歌う」という追悼トリビュートみたいなコーナーがありまして、こんな構成を芸映プロの音楽監督さんが好きなのかもしれないと、勝手に想像しております。
(少なくとも、歌手本人の希望ではないでしょう)
投稿: ギムリン | 2009年3月 1日 (日) 19:43
■ギムリンさん
いらっしゃいませ。
宏美さんが「療養所」を歌ってるんですか!一般の人はまずこのタイトルが読めないですよね(笑)
なお、奈保子さんの初コンサートの音楽監督は、デビュー時にボイストレーニングを担当した大本恭敬さんです。著書「理想の声に近づく本」では、そのボイトレのことや初コンサートのレッスンのことなどが綴られてますが、音楽劇のことは特に触れられてなかったですねえ。
投稿: MARU | 2009年3月 4日 (水) 01:41