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2008年3月 4日 (火)

民間放送というレトリック(2)

 きのう3月3日は『民放ラジオの日』だそうで、ラジオを聴いていると盛んにPRが流れています。それで思い出したのですが、随分と前に「民間放送というレトリック」というものを書きまして、その後「日を改めて綴ってみたい」と思っていたことを書いていなかったなあと(^^; といわけで今更ながら続編です。

 NHKに対置する言葉として民間放送という言葉が定着していますが、さてこの民間とは何を指しているでしょうか。英語圏での表現を確認すると答えが出てきます。
 英語では民間を private とか civil とか表現しますが、では「民間放送」を private broadcasting とか civil broadcasting と言うかというとそうではありません。民間放送は commercial broadcasting なのです。これを日本語に訳すると「商業放送」ですね。つまり「民間放送」というのは、言うなれば誤訳なのです。

 なぜ日本では「商業放送」を「民間放送」と言い換えたのか?
 それは、戦後NHK以外の商業目的の放送局も認めて欲しいという議論が起こったときに「公共の財産である電波を使って金儲けをするのは如何なものか」というような意見があったからと言われています。つまり正面きって「商業放送」というと風当たりが強いし響きも卑しいので、「民間放送」という言葉を編み出して言い換えた、ということです。意訳といえばそうなのでしょうけど、このことによってNHKが「国営」と誤解されることが多くなった面は少なからずあると思います。本来NHKと民放の対立軸は「公共」か「商業」かなのですが、あたかも「国営」か「民間」かのような虚構を持ち込んだのは、民放側のしたたかな戦略とでも言ったら大げさかな。

 もっとも、過去には営利目的でないけどNHKではないという放送局が存在したこともあります。東京の中波ラジオ局である文化放送の前身、日本文化放送は財団法人による運営でした。こうした場合は商業放送という言葉は確かになじまないのでしょうね。現在は株式会社に改組されて立派な商業放送局ですが。

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