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2006年5月21日 (日)

三信ビルをテーマにシンポジウム

 何度か話題にした東京・日比谷の三信ビルが取り持つ縁で、関東都市学会の春季大会を聴講してきました。メインのシンポジウムが『都市のかたちは何を映すのか?三信ビルは物語る』というもので、私は会員ではありませんが三信ビル保存プロジェクトに近い方からお誘いを受けていたものです。

 場所は東京・目白台の日本女子大学の一室。女子大なんて場所に足を踏み入れるのは初めてで、ちょっとどきどき・・・でも入ってしまえば普通の建物です。男子トイレもありましたし(笑)。会場の教室はほぼ満員の大入りで、用意したレジュメが足りずに急遽増刷するほど。私のように三信ビルがらみで来場した非会員の方が多かったようで感心の高さがうかがえます。

 驚いたのが、発表者がみなお若いこと。学会の大会というと年配の方の独壇場みたいなイメージがあったのですが全く違いました。内容もしっかりしており、進行の関係で駆け足での説明にはなったものの要点を押さえた発表になっていたと思います。
 シンポジウムでは都市における再開発の問題点が浮き彫りになりました。いま東京で行われている再開発プロジェクトは国が音頭を取っており住民(あるいは地域)の意向を必ずしも反映していないこと。再開発の恩恵は主に富裕層が享受しており、再開発の対象でない地域との差が広がりつつあること。林立する超高層ビルがみな同じ面構えで個性ある街づくりになっていないこと・・・などなど。
 そして様々なジレンマも抱えていること。民間の所有する歴史的建造物を残すには儲かる仕掛けが必要で、三信ビル保存プロジェクトの提案では、三信ビルの容積率を隣接地に移転させて超高層ビルを建設する形になっている。確かに三信ビルは残せるかもしれないが、超高層ビルで空をふさいでしまうことが本当によいのかという話。そして、このような保存手法が提案できるのは地価が高い東京ならではである一方、地価が高いからこそ再開発の圧力が強く建造物の保存が困難であること・・・。
 短い時間のシンポジウムで結論が出るものではないですが、現状に対する危機感を背景に密度の濃い意見交換の場になっていたと思います。

 三信ビルは所有者が既に解体の方針を決定しており、そうそう覆るものではないと思います。せめて今寄せられている保存の声(署名)を受け止め、次に建つビルがまた75年後に「解体するには惜しい」と思わせるようなビルとなることを願います。

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コメント

 先日は来て頂いてありがとうございました。私の主宰ではありませんが、心からお礼申し上げます。懇親会は誘ってしまって良かったのか、後から考えてしまいましたが、楽しんで頂けましたか?ケーキに免じてお許し下さい。
 関連した様々な事項と共に、保存活動の難しさを実感した場ではありましたが、おぼろげながら不安に思っている事柄が多少すっきりした気がするのは気のせいでしょうか?のんきに暮らしたくても、何が起きているのかを把握していなければままならないこの御時世に、あまり振り回されず過ごしたいものですね。 保存活動の積極的な参加をされなくても、研究会などにもご興味あれば又お越し下さい。
 では、又近々。

投稿: tatsu | 2006年5月24日 (水) 15:30

■tatsuさん
どうもお誘いいただきましてありがとうございました。
シンポジウムとその後の懇親会に参加して、保存活動が決してバーチャルなものではないんだということが良くわかりましたね。ネットの持つ力や広がりもすごいと思いますが、リアルな世界は大切だと思います。特に三信ビルについていえば公開されている写真も多数ありますが、とにかく一度足を運んで、その空間に佇んでご自身の目で見ていただきたいと。そうすれば如何に価値のあるものか、理屈は別として感じ取ることが出来ると思います。

投稿: MARU | 2006年5月25日 (木) 01:23

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