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2005年3月 9日 (水)

60年前の今夜

 そう、今夜はいわゆる東京大空襲から60年。あの夜、東京浅草区、本所区、深川区、城東区などの下町一帯は低空侵入した米軍機が撒いた1700トンもの焼夷弾によってほぼ全域が炎上し、10万人以上の住民が犠牲になったと言われています。

 通常兵器による攻撃としては未だこれを上回るものが無いとも言われている東京大空襲ですが、ヒロシマ・ナガサキに比べると驚くほど知られていない、伝えられていないという現実があります。原爆を描いた書物や映画は多くありますが、東京大空襲となると・・・。

 そんな状況を憂いて、東京大空襲を記録する会の早乙女勝元さんが映画制作に乗り出し完成したのが「戦争と青春」(監督/今井正、主演/工藤夕貴)。たしか91年頃だったと思います。私も当時下町在住でしたので「見ておかなければ」という思いがあり、都合2回ほど映画館で見ました。全体の筋立ては現代の高校生が夏休みの課題で東京大空襲を調べるというもので、空襲は体験者の回想シーンとして描いています。超低空から容赦なく焼夷弾を落とす米軍機。逃げ場を失う住民。翌朝の焼死体の山。そうした空襲の実態とともに、自分は生きのびたものの我が子を救えなかったと苦悩するなど、後々まで人々を苦しめるということに深く考えさせれられた映画でした。この映画は不足する制作費を市民から1口10万円の出資金を募って補いましたが、エンドロールで出資した方の名前がすべて紹介されています。東京を中心に非常にたくさんの方が出資されていて「伝えたい」という思いがひしひしと感じられたのを覚えています。
 
 今年、テレビで東京大空襲を取り上げている特番は6日夜のNHKスペシャルぐらいでしょうか。再現映像こそ無いものの体験者の語る証言はかなり衝撃的でした。そして米側の証言。当時の作戦の総括は「この空襲によって戦意の喪失をもたらし、人的被害と人口の流出は軍需生産に打撃を与えるはず」というもの。東京大空襲は非戦闘員が犠牲になったのですが、米側は軍需生産を通して戦争に加担しているとみなしたということなんでしょう。戦争状態では戦闘員、非戦闘員といった区別などない、それが戦争の本質なんだと思いました。
 
 何の体験もない私ですが、このことは風化させたくない。そういう思いで、ちょっと重い話ですがこの夜に取り上げてみました。

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