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2004年8月30日 (月)

万葉線に乗る

 所用で北陸へ行ってきましたので恒例?の乗り物紀行シリーズ。今回乗ってきたのは高岡の路面電車・万葉線です。
 この路線は万葉線株式会社という第三セクターが運営しております。鉄軌道事業会社なのに「鉄道」とか「電鉄」とかつかず単に「万葉線」というのは珍しいですね。もともとは加越能鉄道という会社が運営していたのですが、ご多分に漏れず乗客減で運営が苦しくなり、沿線の市や市民が存廃を議論した結果、2002年より市などが出資して新たに設立された第三セクターに経営が引き継がれています。赤字が避けられない中での市の出資ですが、下手な公共施設を作るのに比べれば遥かに利用者が多く負担のしがいがあるということで決断したそうです。だいたい日本でこの手の話が出ると採算が第一にきて、黒字の見込みがないから廃止というのがお決まりのパターンなのですが、環境、福祉、まちづくり、定時性などを総合的に判断して存続させたことは大変に意義深いです。そもそも現在では大都市の一部を除けば公共交通で採算をとろうとすること自体がナンセンスというもの。諸外国では独立採算制などとうの昔に放棄しており、運営費への公費投入は当たり前、運賃収入など費用の数割に過ぎないほうが普通です。もちろん公費投入が出来るのは公共交通は皆で支える必要があるというコンセンサスが出来ているからですね。

 さて、万葉線のスタートは高岡駅前。「市民が支える路面電車」というキャッチコピーが泣かせます。
takaoka1.JPG
これは単なるうたい文句ではなく、実際に第三セクターには市民も1割程度出資しているのです。ただ「廃止反対」を唱えるだけではないところが一味違います。さらに、新生万葉線をイメージづける新型車両の購入に際しても市民から募金が寄せられています。で、その新型車両ですが訪れた日はなんと運休日(泣)。くやしいので車庫で写真だけ撮ってきました(^^;。奥で休んでいる丸みのある車両がそれなのですが、床が低くてステップがなく乗り降りしやすいのが売りです。
takaoka2.JPG
 さて、そうした新車もあるのですが基本的には前の会社から廃止寸前の状態で車両と設備を引き継いでいるので、残念ながらハード面でのレベルはあまり高くないです(^^; 車両は基本的に非冷房のいかにも旧型といった感じのものですし、線路も整備状態がよくないのか区間によっては結構ゆれます。そして、これはなんとかしたいと思うのが高岡市街中心部に残る通称「平面電停」です。停留所といっても車道にペンキで枠を書いて「電車のりば」と表示しているだけというもの。
takaoka3.JPG
 ここはぜひ柵付きの安全地帯を整備して欲しいところです。でないと乗降(特に降りるとき)が危なっかしくて・・・
もちろん、こういう電停で正直に道の真ん中で電車を待っていたら大変なことになりますので、普通は歩道で待機していて電車が近づいたら「のりば」に移動します。そのとき道にクルマがびゅんびゅん走っていた場合は・・・。乗り慣れている方は絶妙のタイミングでクルマをかわすのでしょうが、私は手を振って無理やりクルマを制止させてしまいます。ドライバーからすれば迷惑に思うかもしれませんが、そもそも電車が停留場で客扱い中は諸車停止が法令で定められていますので、止まらないクルマのほうが悪いのです。

 第三セクターでの存続を選択した万葉線ですが、まだこれからの点もある反面、乗り易さを目指して運賃やダイヤの見直しなど努力もされていますし、何より行政と市民が一体となって残していく初のケースですのでぜひ定着・成功して欲しいと思います。そしてドイツ・フランスを中心とした海外のライトレール(次世代路面電車)の視察ばかりして一向に新路線開業を具体化しない地方自治体の役人・議員は高岡・新湊両市の姿勢を見習うべきですね。まず採算ありきじゃできっこありませんよ・・・。聴こえないでしょうけど(笑)。

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